隆太窯の器、潮騒の庭園
第820回よその旅館ホテル
──明治、大正の面影を残す純和風旅館です。
「建物は大正元年改築です。当時の面影を守りながら、快適に過ごしていただけるよう改修を加えています。唐津城や名勝・虹の松原にも近い街並みにあります。館内には隆太窯ギャラリーを備えています。陶芸家の中里隆氏、息子の太亀氏、娘の花子さんの作品が展示されています。当館のお客さまの多くは器を楽しみに来られています。食事の際も隆太窯の器でお出ししています」
──庭も素敵です。
「樹齢200年の老松が群生する潮騒の庭園です。庭にある佐用姫の間は、お泊まりには使えませんが、角の三分の一が池の上にかかっていて、夏も涼しい部屋です」
──趣のある玄関です。
「玄関の扁額は明治の伊万里出身の衆議院議長川原茂輔氏の揮毫によるもの。『閣々洋』と、右から左へ書いてあります。玄関は大正元年に改築されたもので、それ以来ほとんど変わっておりません。土壁は中壁仕上げになっていて素朴な感じです。敷台は欅の一枚板で135センチ×158センチの板が2枚はってあります」
──部屋は。
「全室和室です。庭の黒松を眺められる静寂な空間です。柿沼守利氏設計によるリニューアルのお部屋もあります。季節の野の花を活けてお迎えします」
──食事は。
「玄界灘の旬の魚を堪能できます。また、50年前に九州では最初にしゃぶしゃぶを始めました。魚が苦手な方や旅行の日程で前日に魚を堪能された方など、変更できます。佐賀県産和牛のやわらかさを秘伝のたれでお楽しみください」
──料金は。
「大人2人利用で1人1泊1万8360円からです」
【全18室】