長い歴史と新鮮な湯
第787回よその旅館ホテル
──歴史の長い宿です。
「江戸後期、もともと神官だった子孫の医者がこの地に『あづまや』を創業しました」
──芸術家も愛する宿です。
「フランスの作家、美術家であり、政治家のアンドレ・マルロー夫妻や俳人の高浜虚子など多くの文人や芸術家に愛されています。現在、全国で約190カ所ある『日本秘湯を守る会』の会員旅館であり、そのうち関西はわずかに5カ所しかないひとつが当館です」
──温泉は。
「世界遺産に登録された『つぼ湯』があることで知られる湯の峰温泉です。今年9月からは湯の峰温泉、川湯温泉、渡瀬(わたぜ)温泉で熊野本宮温泉郷としてPRを始めました。自家泉源の新鮮な湯を楽しめます。『槇風呂』をはじめ、高温度の湧出をそのまま利用した『むしぶろ』『さまし湯』『露天風呂』『貸切風呂』があります。好評なのは、『さまし湯』。湯の峰温泉は、湧出温度が90度前後なので基本的に水で温度調節するところ、全く加水せずに適温まで冷ますので、温泉100%で入浴できます」
──料理も自慢です。
「水を使うところ全てに温泉を利用する温泉料理を提供しています。前菜から始まり最後のご飯、吸い物、デザートに至るまで利用しています。夕食は美熊野牛を温泉しゃぶしゃぶで食べる逸品。朝食は温泉粥、温泉湯豆腐を用意しています」
──わかやまDCが開催中です。
「今年は紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産登録されて10年。12月中ごろまでの土日祝日、バスが高野山から熊野本宮間で運行されています」
──料金は。
「1泊2食で1万6350円からです」
【22室、定員70人】