気配りと親密感の宿
第625回よその旅館ホテル
──リピーターが7割を超えるとのことですが。秘けつは。
「お客さまとの距離感が近い接客でしょうか。私自身人が好きなので、お客さまと一体感が生まれるような接客がモットー。他の宿の接客とは違うかもしれませんが、そういった雰囲気を楽しみに来てくださるお客さまが多いように思います」
「おかげさまで常連さんの同行や、常連さんの口コミがきっかけで来て下さるお客さまがたくさんおられます。ありがたいですし、身の引き締まる思いです。小さな宿である分、リピーターの方の細かい要望や、プラン外の食事の希望などもきめ細かに対応できるよう努力しています」
──お湯にもこだわられているとか。
「源泉に近いので泉温は90度近くありますが、加水などはせず、熱交換器を使って適温にして源泉かけ流しで提供しています。泉温を下げるために使った水は温められているので、シャワーとして使っているんですよ」
──料理は。
「地元の旬の素材にこだわっています。地のものはコストがかさみますが、自分たちがおいしいと思っているものを提供したいとの一念でがんばっています。七尾の海で取れた新鮮な海の幸に加え、今の時期は山菜などもおいしいですよ。メーン料理として船盛りと能登牛のすき焼きのどちらかを選べるプランも用意しています」
──経営の課題は。
「先が見えない、読めないことでしょうか。間際化も進み、お客さまの動きも見えにくくなっているので、集客のための対策を立てようがない。東日本大震災などもあって、この5、6月、首都圏付近のお客さまを中心に動きがないことも悩みのタネです」
【10室、1泊2食1万650円から】