7年ぶりに営業再開
第681回よその旅館ホテル
──山崎旅館とは。
「私どもの宿である『一里野高原ホテルろあん』の姉妹館です。ろあんから車で20分ほどの山奥にある秘湯の一軒宿で、昭和32年に祖父が最初に創業した宿です」
──7年ぶりに営業を再開したと。
「改装を計画しましたが、工事に着手できず、休館となっていました。山奥の古い建物で改装にはいろいろと困難がありましたが、2年間をかけてリニューアルを終え、7月2日にオープンしました。祖父、祖母が守ってきた宿を再開でき、感慨もひとしおです」
──宿の自慢は。
「混浴野天風呂が人気です。山々の緑に囲まれた開放的な岩づくりの湯船に源泉を24時間かけ流しにしています。男女ともに腰巻を用意しています」
──リニューアルのポイントは。
「内湯と別館の客室です。内湯は古い天井を解体して梁を見せ、光取りの窓も設けて開放的な空間にし、浴槽もタイル張りから石張りに変えました。シャワー、洗面台、トイレを付けた別館の客室も新しくなりました」
──客層は。
「秘湯ファンをはじめ、さまざまなお客さまがお越しになります。『営業再開はいつか』と気にかけてくれた方もいましたので、さらに心を尽くしてお迎えしていきます。日帰りの入浴・休憩利用も歓迎です。白山スーパー林道が閉鎖になる冬期は休館です」
──近くに国指定の特別天然記念物があるそうですね。
「岩間の噴泉塔です。温泉の成分が固まって塔のような形状になったものです。山崎旅館から徒歩で約1時間半。荒れたアクセス道を地元の観光協会の事業で整備する予定です」
【34室、1泊2食付きで別館1万2千円から・本館9千円から】