新鮮な魚介類と湯治の湯
第719回よその旅館ホテル
──宿の自慢は。
「旬の魚料理です。俵山温泉は山間部の温泉郷ですが、日本海まで約10キロ、車だと下関まで1時間で行けるので、自分で買い付けてきた新鮮な魚介類を、夕食にお出ししています。冬には下関のフグも出します。朝食は地元の野菜や山菜がメーンです」
──ご主人が調理をされるのですか。
「私と妻で作ります。既製品は一切使いません。例えばタイやスズキの蒸し料理など、難しい料理ではありませんが、家庭ではあまり作らないような料理を心がけています。活きのいい魚をちゃんと調理すれば、魚が苦手な子どもでも喜んで食べますよ」
──おもてなしで心がけていることは。
「必ずどちらから来られるか、年齢、旅行の目的、食べ物のアレルギーなどを電話で確認します。例えば下関から来る人にフグを出さないなどです。すべてのお客さまに同じサービス、同じ料理というわけにはいきませんから。お客さまに合わせて、満足していただけるよう工夫しています」
──俵山温泉は泉質がいいことで有名です。
「神経痛に効果があると言われており、昔は湯治場として賑わっていました。昭和50年頃から湯治のお客さまが減り、当館も保養や観光のお客さまを対象にした旅館にシフトしていきました。内湯を作ったり、トイレや風呂を部屋に付けるなど、少しずつ改装しました」
──客層は。
「九州からのお客さまが多いです。九州、広島、山口で7〜8割。外国人もたまに来ます。泉質も街の環境もいいですから、口コミで広がったようです」
【1泊8千円から、3泊以上は1泊7千円から】