地元食材の料理好評
第942回よその旅館ホテル
──宿の魅力を教えてください。
「お客さまにご評価いただいているのが、山菜やキノコ、乳製品、川魚など、地元の食材を生かした料理です。当館がある標津岳の山麓は、アイヌネギ(行者ニンニク)、コゴミなど山菜が豊富です。山菜はスタッフ自ら採りに行きます。先人の知恵で、風味、色味を損なわない保存法もあり、旬の時期だけでなく、年間を通じて提供しています。酪農地帯でもあり、乳製品も豊富です。フライにして提供する牛乳豆腐は、見た目は豆腐ですが、チーズのような味わいもあります。母牛になって最初にしぼる初乳からしかできない当地の味です。ここでしか食べられない料理、安全安心な食材だと喜んでいただいています」
──温泉については。
「養老牛温泉は、2016年に開湯100周年を迎えました。今から百数年前、開拓に伴って最初の温泉旅館が開業したのですが、それ以前にもアイヌの人たちが温泉を利用していましたので、伝承によると、温泉の歴史は300年とも言われています」
「地上に自然湧出した温泉を掛け流しにしています。体の芯から温まると評判です。標津川に面した露天風呂と、内風呂が男女それぞれにあります。家族やカップルでゆっくり浸かれる家族風呂も三つご用意しています」
──客層は。
「年間を平均すると、おおむね道内客6割、道外客4割です。歓楽街のない山麓の温泉宿ですので、豊かな自然や静けさ、くつろぎを求めてお越しになるお客さまが多いですね。近年では、養老牛温泉がコースに含まれているロングトレイル『北根室ランチウェイ』を歩くお客さまの宿泊が増えています」
【16室、1泊2食付き9千円から】