料亭の技で旬の宿を
第624回よその旅館ホテル
──かなりの老舗だとか。
「嘉永4年(1851年)に旅籠の『かっぱや』として創業してから今年で160年になります。当初は立山に登る人の出発地点という感じでした。今は宿泊もやってはいますが、料亭が中心ですね。でも日観連にはずっと入っています」
──料理の特徴は。
「季節を先駆けて取り入れる場合は別として、魚介をはじめ、米、野菜などの食材は、できるだけ地元の旬のものを使っています。特に、富山の海の幸は自慢できます。富山湾は、立山からミネラル豊富な水が流れ込んでいて、寒流と暖流がぶつかってもいるので、日本一魚の種類が多いと言われています」
──今の時期は何がうまいのでしょうか。
「ホタルイカです。生でもいいし、しゃぶしゃぶでもいいです。それと『富山湾の宝石』と呼ばれる白エビ。ぷりぷりして甘みがあって本当においしいのですが、これを生で食べるには、富山に来てもらうしかありません」
──料理以外のセールスポイントは。
「風景の良さです。晴れていれば、富山市内からはどこからでも美しい山々が見られます。海も近く、山も海も小一時間で行くことができます」
──最近の客の入りはどうですか。
「リーマンショック以降の不景気からようやく立ち直ってきたところに、東日本大震災が起きて、企業の方も、登山家も、外国人客も減っています」
──サービスのモットーはありますか。
「地元のお客さまが多いので、地元の方に喜んでもらうことを一番に心がけています。県外のお客さまには富山はいい所だと思ってもらえるようなおもてなしをしたいですね」
【15室、1万2600円から】