栗駒山(岩手、宮城、秋田県)の登山道の一つが閉鎖されたことで、登山ができなくなったと誤解が生じていることから、岩手県一関市と同市観光協会の宣伝隊が12日、東京の観光経済新聞社を訪問し、別ルートを使い登山が問題なくできる現状をアピールした。
栗駒山(別名・須川岳)は日本の二百名山の一つで、標高1626メートル。3県から九つの登山道があり、初心者でも比較的登りやすいと人気が高い。岩手県側からは一関市の須川高原温泉を起点に、「須川コース」と「産沼(うぶぬま)コース」の二つの登山道がある。
このうち須川コースの途中で基準値より高い濃度の火山性ガスが発生し、今年5月20日の山開きを前に、同コースが通行止めになった。再開のめどは現在も立っていないが、もう一つの産沼コースは問題なく通行できる。
ただ、山頂まで行けなくなったとの誤った情報が拡散され、岩手県側起点の須川高原温泉の宿泊と日帰り入浴利用者数が今年5~8月で前年同期比約6千人減少するなど「風評被害」を受けている。
市や観光協会では対策のため、産沼コースの美しい紅葉をアピールする写真ポスターを作成し、1300枚をJR東日本管内主要駅に掲示。8月7、8日は登山家の南谷真鈴さん参加による清掃登山と講演会を行った。
一関市観光協会の菅原清忠事務局長と一関市商工労働部観光物産課観光係の千葉智輝主事は「登山は11月初めまで、紅葉は9月下旬から10月上旬まで楽しめる」「産沼コースは須川コースより少し難易度が高いが、平坦な周遊道も整備されている。登山は難しいという年配の方も気軽に山歩きを楽しめる」とアピールした。
紅葉のポスターを手にする菅原さん(左)と千葉さん