交流拠点作りに貢献
復興庁が設立した「新しい東北」官民連携推進協議会はこのほど、「『新しい東北』復興ビジネスコンテスト2019」の受賞団体を発表した。JTB賞にはふくしま農家の夢ワイン社(福島県二本松市)の「ワイナリーから始まる食・人・農のあるまちづくり事業」が選ばれた。
同コンテストは、東日本大震災の被災地における地域産業の復興や、地域振興に役立つ事業を活性化させることを目的に実施。19年は大賞1件をはじめ、計18件が受賞した。
ふくしま農家の夢ワイン社は、阿武隈山地の地の利を生かし、ツアー受け入れやイベント開催などを通じて活気あるまちづくりを目指すとともに、ワイナリー、ブドウ栽培農家、有機野菜栽培農家、農家民宿、道の駅などがつながり、人が流れるまちづくりを展望している。
定期的に感謝祭を実施するほか、各地のイベントにも出展し、ワインの試飲販売なども行っている。
協賛企業は「かつて養蚕を行っていた遊休農地を活用したブドウ栽培や、廃業した宿泊施設を改修したワインカフェなど、地域にあるもの、今あるものを生かした交流拠点作りに貢献している」とコメントしている。
大賞は合同会社ねっか(福島県只見町)の「田園風景を次世代に。コメ農家が作る世界一和食に合う米焼酎」が受賞。日本酒の醸造技術を活用した米焼酎を製造販売し、現在では海外へも輸出している。只見町の小学生向けの米作り体験活動に関与し、その時の米でできた焼酎を小学生が20歳になった時に渡すユニークな活動も。
地産地消、地域貢献、将来への継承といった理念に裏付けされた分かりやすいストーリー性が高く評価された。
優秀賞は一般社団法人歓迎プロデュース(宮城県気仙沼市)、やまがたさくらんぼファーム(山形県天童市)などが受賞した。
やまがたさくらんぼファームの「もったいないを6次産業化と観光農業で解決! 収益力改善事業」は、6次産業化と観光農業を組み合わせたさまざまな体験プランを企画し、相乗効果による収益を改善する事業で、地域企業との連携や、地元貢献を実現しているほか、アグリツーリズムなど各種の新しい事業展開を実行していることなどが評価された。