近畿日本ツーリスト(KNT)は7月26〜30日、08年に中国・四川省で発生した大地震で被災した子どもたちに旅を通じて笑顔になってもらおうと、小学生の「こども大使」30人を日本に招いた。同社の創立55周年記念プロジェクト「みんなの笑顔がみたいから」の一環。こども大使は、四川省と友好関係を結ぶ山梨県を表敬訪問したほか、富士山や東京ディズニーランドなどを楽しんだ。
26日に吉川勝久社長と共に北京を出発し日本に入った一行は、山梨県甲府市の小学生と記念植樹を実施。27日にはシェラトン都ホテル東京(東京都港区)で観光庁関係者や協賛事業者らとの夕食会に参加し、合唱や踊りを披露した。こども大使たちは、「箱根の温泉がよかった」「次に来日するときには、富士山に登ってみたい」と笑顔で語った。
こども大使を北京に出迎えに行くなど、同プロジェクトに積極的にかかわった吉川社長は、「こどもたちの笑顔に、われわれも感動と元気をもらった。日本と中国は海を隔ててはいるが、起源は同じ。今回の来日を通して互いが『本当の隣人』であると感じてほしい」と語り、プロジェクトの成功に顔をほころばせた。
同社は今年、記念プロジェクト案を社内で募り、チャリティフットサル大会などを企画している。中国こども大使の招待は、同社が四川大地震時に社員と会社が同額を寄付する「マッチングギフト」方式でテントや絵本を被災地に送るなど四川とかかわりがあることから、社員が提案。ANAやJAL、富士急行などの協賛を受け実施した。
返礼の合唱をするこども大使