近畿日本ツーリスト(KNT)と日本旅行は10日、「地域を元気にするプロジェクト」を立ち上げ、国内旅行需要を喚起する共同企画商品を造成、販売すると発表した。第1弾は石川県で、販売目標人員は4月1日〜9月30日の期間で、前年同期比10%増の11万人を見込んでいる。「2社によるこうしたコラボ商品は業界初」(野中雅彦・KNT取締役兼執行役員)としており、今後、観光振興商品としての商品シリーズ化を目指す。
同日、東京・錦糸町の東武ホテルレバント東京で会見し、発表した。KNTからは野中取締役兼執行役員、田中雅彦・執行役員、日旅からは木村陽一・取締役兼常務執行役員、大槻厚・赤い風船事業部長らのほか、山岸繁樹・近旅連石川支部長(加賀観光ホテル社長)、吉田眞啓・日旅連石川支部長(吉田屋山王閣社長)が同席した。
商品造成に当たっては石川県観光連盟、JR西日本金沢支社の協力を得た。第1弾の商品名は「日本の旅き・ら・りいしかわ」(関西発)で11日から発売。商品は発地型エスコート、着地型エスコート、着地型パーソナルの3タイプで、(1)感動の旅(2)その土地を知る(3)本物を知る──など5つの視点で造成、「付加価値の高い商品ができた」と木村取締役兼常務執行役員。主に20〜30歳代の女性をターゲットにしている。
旅館・ホテルでの夕・朝食に加え、海鮮丼などの「いしかわランチ」を付け1泊3食を基本とした。「いしかわランチは1千円分の食事や土産、観光施設などに使えるクーポンにも変更可能」という。基本旅行代金は大阪駅〜加賀温泉駅JRセットプラン(特急普通車指定席利用)、1泊3食付き、5人1室利用で1人2万100円から。
また、白山比(しらやまひめ)神社など県の知られざるパワースポットを訪れるバスプランや、歴史文化を学ぶオプションカテゴリーなども盛り込んでいる。
KNTは「メイト」、日旅は「赤い風船」の国内ブランドを使いつつ、パンフレットはほぼ同じ内容とし、両旅連に加盟する計56軒が参加。両支部長は「石川に特化した有り難い企画だ」(山岸氏)、「石川のホスピタリティの高さを全面に出してお迎えしたい」(吉田氏)と抱負を述べた。
首都圏発は4月発売予定。今後半年ごとに他地域の商品を造成する方針だ。
会見後、報道陣の撮影に応じる関係者(右から大槻、木村、吉田、山岸、野中、田中の各氏)