KNTは14日、新たにフリーマガジンを創刊、首都圏各地で配布を始めた。初めての試みで、旅行会社では珍しい。女子高生をターゲットに定め、恋愛パワースポット特集や旅行予約のいろはなどを盛り込む。20万部を配布予定。旅行商品を直接掲載せずに旅行意欲の喚起を図り、卒業旅行需要の拡大を狙う。
フリーマガジン「KNTaste(ケイエヌテイスト)」は24ページ建て。タレントへの巻頭インタビューのほか、横浜・東京の夜景スポットなどを紹介。オリジナルキャラクターを使い、旅行予約の基本知識などを説明するコーナーも加えた。「前払い金の仕組みなど、知らない高校生は多い」(橋屋哲・首都圏メイト事業部企画5課長兼販売促進課長)ため。
KNTが今期初めて統一キャラクターを設定し売り出した、高校生向け卒業旅行商品の販売戦略の一環。フリーマガジンのような20〜34歳女性に訴求する手法を採用することで、「実年齢よりも背伸びしたい女子高生層に訴える」(橋屋課長)。
今回のフリーマガジンの発刊には旅行パンフレットの将来像も視野に入れる。橋屋課長は「制作費の負担を旅行費用に転嫁するのではなく、広告収入などによりできるだけ自社で稼ぎ出すような形がないかという試行の1つ」と話し、今回の取り組みへの意欲を見せた。
KNTasteは、在首都圏各支店周辺のほか、受験会場で配布予定。来年2月2日まで、東京急行電鉄運営の売れ筋商品をランキング形式で紹介・販売するショップ「rankKing rankQueen(ランキンランキン)」にも、旅行グッズとともに配置する。