日本旅行業協会(JATA)は10月28、29日、東北の東日本大震災からの復興を支援する「JATAの道」プロジェクトの現地活動を岩手県で行った。環境省が東北の太平洋沿岸約700キロに設定したトレイルコース「みちのく潮風トレイル」の整備、活用を支援するプロジェクト。訪問団65人が大船渡市、釜石市の区間を視察し、現地の関係者と交流した。
「JATAの道」プロジェクトは2014年4月の開始以来、毎年、現地に訪問団を派遣している。震災発生から10年となる21年3月まで活動する計画。「みちのく潮風トレイル」は環境省の「グリーン復興プロジェクト」の一環で、順次区間が開通しており、今年度中に全区間(青森県八戸市―福島県相馬市)の開通が予定されている。
今回の現地訪問は、JATAの戸川和良副会長・国内旅行推進委員長(KNT―CTホールディングス社長)を団長に、JATA会員旅行会社の役員、社員らが参加。大船渡市、釜石市、岩手県の行政・観光関係者が出迎えたほか、環境省の担当者も参加した。
大船渡市では、景勝地として知られる碁石海岸などトレイルコースの一部を視察。地元のまちづくり会社「キャッセン大船渡」から今後の地域づくりなどに関して話を聞いた。釜石市ではトレイルコースの視察のほか、19年ラグビーワールドカップ日本大会の会場予定地などを視察した。訪問に際し両市には観光案内板を寄贈した。
JATAでは、「JATAの道」プロジェクトの視察などを通じ、会員旅行会社での旅行商品の造成を促進。東北の太平洋沿岸への送客などによる復興支援を目指している。