日本航空インターナショナルとジャルツアーズ、楽天トラベルの3社は1日、東京都港区のJAL本社で会見を開き、国内ダイナミックパッケージ(DP)商品を共同で手掛け、1日から楽天トラベルのサイトで販売を始めると発表した=写真。航空座席の販売強化を図りたいJALと、航空便の選択肢を拡充し会員の利便性向上を図りたい楽天の思惑が一致し、実現した。国内宿泊販売で成長を続ける楽天トラベルにとってはJAL便ユーザーの取り込みにもつながり、宿泊販売の拡大の大きな弾みとなりそうだ。
JALの航空券を楽天トラベルのサイトでアフィリエイト形式で販売していたことがきっかけとなり、4月30日にダイナミックパッケージ事業で3社が業務提携を結ぶに至った。
ジャルツアーズが企画実施会社となり、1日約900便のJALグループの国内航空便と楽天トラベルが取り扱う約2万の宿泊施設の宿泊素材を利用したダイナミックパッケージ商品「JAL楽パック」を企画、造成。楽天トラベルが販売を受託し、同社サイト上で楽天会員に向け販売する。
事業開始5年後に予約流通額300億円、出発人数50万人を目指す。
楽天トラベルは06年に全日本空輸(ANA)と共同で楽天ANAトラベルオンラインを設立し、DP商品「ANA楽パック」の販売を始めている。楽天トラベルの岡武公士社長はANA楽パックとの違いについて、「JALは離島路線など独自路線が多く、クラスJも予約できる点」と語った。
航空運賃の「個人包括旅行割引運賃」「DP限定旅行用特割運賃」を利用した国内DPは、JAL、ANAがそれぞれグループの旅行会社で独自に手掛けているほか、じゃらんnetがJALと提携して販売。またJTBも6月からANAと提携し販売を始めている。
国内DPの流通額は明らかになっていないが、楽天ANAトラベルオンラインが今年度200億円、ANAセールスがDP商品「旅作」で150億円の取扱高を目標に掲げている。