ゴールデンウイーク(GW)期間(4月28日〜5月5日)の主要交通・運輸機関の利用状況がまとまった。高速道路利用者の増加による苦戦も予想された航空、JRだったが、航空は座席数の増加以上に集客した事業者もあるなど好調。JRも軒並み前年を上回る結果となった。低廉な価格が受けている高速ツアーバスも前年実績を大きく超えた。高速道路は、昨年に続き休日利用料金1千円制の適用などもあり、大渋滞が多発した。
●航空
国内航空便のうち、JALグループ7社の利用実績は、旅客数が前年同期比10.8%増の101万6046人だった。提供座席数は同4.3%減の136万5311席と減少したものの、好調に推移。方面別では沖縄方面が好調だった。日本航空、ジェイ・エア、JALエクスプレスの方面別の状況では、中国・四国方面が同19.1%増、東北・北陸方面が同18.6%増、九州方面が同14.1%増と2ケタ伸ばした。
ANAグループの利用実績は、旅客数が同10.4%増の102万2852人と好調。提供座席数は同3.9%減の139万4217人だったが、利用者を伸ばした。方面別では、東北・北陸方面が同13.6%増、中・四国方面が同13.3%増、北海道方面が同12.0%増など、5方面で2ケタの伸びとなった。
スカイマークは、旅客数が同31.7%増の8万8417人で、提供座席数の増加(同10.3%増)を上回る伸びとなった。
エア・ドゥの旅客数は、同9.6%増の4万4754人。搭乗率も前年より5.7ポイント高い87.3%。
スカイネットアジアは、旅客数が同9.7%増の2万8806人だった。
スターフライヤーの旅客数は、同6.4%増の2万5228人。
●JR
JR北海道の主要4線区の特急、急行の利用状況は、前年同期比5%増の26万2400人。
JR東日本の主要18線区の新幹線、特急、急行列車の利用状況は、同7%増の327万2千人。線区別では、秋田新幹線(盛岡〜田沢湖)が同17%増、成田エクスプレスなどの総武・成田線が同19%増と好調に推移した。
JR東海の新幹線、在来線特急の利用状況は同7%増の248万8千人。新幹線が同8%増と伸びたことが全体のプラスにつながった。線区別では東海道新幹線(小田原〜静岡)が同10%増だった。
JR西日本の新幹線、在来線特急・急行の利用状況は、同5%増の178万4千人。近距離圏では、「平城遷都1300年祭」などでにぎわう奈良駅の1日当たりの利用者が同30%増の1万700人と大きく伸びた。
JR四国の主要3線区の利用状況は同6%増の10万7800人。
JR九州の主要3線区の利用人数は、同4.5%増の47万2700人だった。九州新幹線は同6.8%増の8万7700人が利用した。
●高速道路
全国の高速道路の主な区間23区間の日平均交通量は、5万6700台で、前年同期比2%増。
懸念された渋滞は、30キロメートル以上の渋滞が、同9%減の51回、10キロメートル以上の渋滞が同1%増の408回発生。最長の渋滞は、1日の東北自動車道、福島トンネル付近で発生の54.8キロメートルだった。
●高速バス
高速ツアーバスのうち、ウィラートラベルの取扱人数は、前年比35%増の6万5677人だった。路線別では、東京〜大阪、愛知、新潟、仙台の4路線が同20%以上の増加。同社では、利用者の利用目的と同行者人数の傾向も調査。これによると、1人利用が76%だった。2人以上での利用は同3ポイント減の24%で、「複数人での利用はマイカーに流れたのでは」と同社。
楽天トラベルの「高速バス予約」の実績は、送客人数が、同38.9%増だった。路線別では、首都圏〜四国4県は同176.8%増、京阪神〜富山・石川211.3%増。首都圏〜北東北、首都圏〜福岡・長崎も大きく伸びており、「日並びの良さから、大都市圏と地方都市を結ぶ路線の中でも、特に長距離路線が大きく伸長したようだ」(楽天)。
混雑した羽田空港