赤羽一嘉国土交通相は17日の会見で、国内旅行の需要喚起事業「Go Toトラベルキャンペーン」について、東京都居住者の旅行、東京都を目的地とする旅行を当面、事業の対象外とした上で、予定通り22日にスタートすると発表した。観光庁は近く事務局を通じて、事業に参加する宿泊事業者、旅行業者の登録受け付けを開始するが、旅行者の検温や本人確認の実施など、感染拡大防止策の徹底を登録条件とすることも強調した。
政府は、対象外の地域を設けずに全国一斉の開始を目指していたが、東京都の感染状況などを踏まえ、感染症専門家の提言を受け、16日夜に東京都を事業の対象外とすることを決めた。22日からの先行期間は旅行代金の割引だけを行い、地域共通クーポンの付与は9月以降とする。
宿泊事業者、旅行業者に事業への参加条件として求める感染拡大防止策も17日に発表した。近く書類やオンラインで開始する登録の際に条件を満たしていることを求める。事前の現場確認などはないが、事業の事務局が必要に応じて立ち入り検査を行うことなども検討する。
参加条件とした主な感染拡大防止策は、①チェックイン時の旅行者への検温、免許証などによる本人確認②人数・時間制限など、浴場や飲食会場といった供用スペースの3密対策の徹底③「参加条件」を実施している旨のホームページやフロントでの掲示など対外的な公表―など。
国交省、観光庁は旅行者に対しても、観光団体が共同で作成した「新しい旅のエチケット」に基づいた行動を呼び掛ける。主な内容は、旅行前の検温、3密の回避、政府が提供する新型コロナウイルス接触確認アプリの活用など。
赤羽国交相は「東京都を対象外にしただけで感染拡大防止が万全とは考えていない。安全、安心な旅のスタイルを普及、確立するには、着実な感染防止対策の実施が必要だ」と述べた。
17日には、キャンペーンの開始を控えて宿泊業や旅行業の観光関連7団体の代表が赤羽国交相を訪問し、感染症対策の徹底と、安全、安心な旅行環境整備に取り組むことを表明した。
赤羽国交相17日の会見