Go Toトラベル再開 向野悟

  • 2022年1月3日

観光立国の基盤を支えよ

 「年末年始の感染状況を確認した上で再開する」。国土交通相、観光庁長官は昨年11月19日、Go Toトラベル事業を再開する方針を発表した。1月の祝日3連休を含めた感染状況の確認に2週間程度が必要とされ、早ければ1月下旬ごろに再開される見通しだ。

 再開に当たってGo Toトラベル事業の制度内容は、前回の実施時から見直された。感染拡大防止策の観点では、ワクチン接種などを証明する「ワクチン・検査パッケージ」の利用を条件化。旅行後2週間以内に陽性となった際の報告なども義務付けている。

 旅行費用支援の内容では、旅行・宿泊代金の割引率、割引上限額が引き下げられる。低価格帯商品の実質的な割引率アップにつなげ、中小事業者などに事業効果を行き渡らせるためだ。地域共通クーポンも定額制に変更し、平日の額面を休日より高くすることで旅行需要の分散化を促す。

 国の事業実施はゴールデンウイーク前までを予定。その後は都道府県に事業主体を移し、夏休み前までの実施が想定されている。高額な割引の反動で事業終了後に急激に需要が落ち込むのを回避するための制度設計で、地域の観光需要の回復状況に応じて都道府県が割引率を抑えるなどの柔軟な対応を可能にする。

 事業の全国停止から1年、再開は目前だが、不安要因もある。新たな変異株、オミクロン株が出現しており、国内の感染状況が悪化すれば、事業はスタートできない。また、再開判断の直接的な要素ではないが、Go Toトラベルの給付金に関して一部事業者に不正受給の疑いが持ち上がっており、事業運営や観光産業に向けられる目が厳しくなる可能性がある。

 観光産業、地域経済は、足掛け3年に及ぶコロナ禍で疲弊している。新たなGo Toトラベル事業の予算額は約1兆3千億円。安心、安全に旅行できる環境が大前提とは言え、再開に寄せる観光業界の期待は大きい。地域間、事業者間でできるだけ格差なく需要を喚起すると同時に、前回実施時に指摘された制度設計の甘さ、事務負担の煩雑さなどの課題を解消した事業運営が期待されている。

 観光業界からは、インバウンド需要が回復するまでの間、Go Toトラベルを継続的に実施するよう求める声も上がっている。「観光立国の復活」への基盤を支える事業として早期再開に期待したい。

 

 
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