ANAグループのシンクタンクであるANA総研(東京都港区、浜田健一郎社長)は7月から、早稲田大学(東京都新宿区、白井克彦総長)と、学生に観光業界や航空業界、地域活性化に興味を持ってもらうための共同ワークショップを始める。ANA総研が地域に派遣している地域再生マネージャーと共に学生に地域課題の解決に取り組ませることで、学生の若い視点からの地域活性化策を地域側が取り込む狙いもある。
今回の共同ワークショップは、北海道・稚内と、宮崎県・高千穂で実施する。早稲田大学の学生8人からなるグループが2地域を1組ずつ担当、「若者の視点で地域の観光を考える」「若者の視点で地域活性化を考える」の2つの観点から当該地域の課題に取り組む。参加学生に単位は付かず、「より深く業界や地域を学べるインターンシップのような位置付け」(早稲田大学広報室)。
ワークショップはまず7月4日に学生がANAの航空関連施設を訪れ、航空、旅行、観光、地域活性化に関する講義を受ける。8月には学生が現地に入り、地元自治体から観光関連事項について説明を受けるほか、現地調査を行い、課題の洗い出しと課題への対応策を検討する。現地調査後には、2カ月程度かけ、ANA総研の担当者や地域再生マネージャーからの指導を受けながらグループごとに考えを集約。最終的には地元関係者らを前に、グループごとの地域活性化策を発表する予定だ。
ANAは「学生と地域再生マネージャーにより、地域活性化に直接つながるようなアイデアが生まれれば」と期待する。