ANAセールスは営業損益の黒字化を図るため、経営基盤の構築と営業力強化に乗り出す。今年10月を目途に北海道、九州、沖縄のANAセールス地方各社と統合し経営効率を向上。並行して同社のウェブ会員の拡大やウェブ販売の強化を進めることで売上高の伸長を図り、09年度1億円の赤字だった営業利益を今年度は10億円、11年度には20億円としたい考えだ。
10年度、11年度の営業利益目標は、このほど策定した「ANAセールスグループ経営戦略」の中で掲げた。
旅行分野の取扱目標は、国内が10年度2264億円(09年度比1%増)、11年度2330億円(同4%増)、海外が10年度233億円(同9%減)、11年度306億円(同20%増)。商材別の取扱目標は、同社国内旅行商品ブランド「スカイホリデー」が980億円(同3%増)、国内ダイナミックパッケージ「旅作」が150億円(同50%増)。
ANAセールス4社の統合により、2年間で400人の削減を予定。併せて全国5カ所の予約センターを再編し3カ所に集約するほか、仕入・造成個所の集約も行い、経営効率を高める考えだ。
旅行販売では、ウェブ販売を強化し、09年度150億円だった取扱高を、11年度は約4倍の600億円まで拡大させる。ウェブサイト上での予約導線の整備や好調な旅作の充実、ウェブ会員の拡大施策を展開する。
11日、観光経済新聞のインタビューに応じた浅川修社長は、「今年度は過去3年間計上してきた営業赤字を黒字転換させることが第一」と強調した。
同社の09年度の旅行取扱高は、国内旅行が同2233億円、海外旅行が255億円。商材別では、スカイホリデーが前年比9%減の950億円と伸びなかった一方で、旅作が同50%増の100億円と大きく伸ばした。