ANAグループはこのほど、世界の航空業界では初めてCO2総排出量目標を設定した。「地球環境問題が航空会社の最重要経営課題の1つになっている」(同社)ことから、省エネ機の導入などを積極的に進め、環境に配慮した航空会社としての地位の確立を図る。
08〜11年度の国内線でのCO2総排出量を4カ年平均で470万トン以内にする。06年度の国内線CO2排出量実績は約490万トンであることから年平均20万トン削減する。20万トンは、「約5万生態が1年間に排出するCO2量に相当」(同社)する。
国際線も含めた削減目標値は、2011年度に単位搭載重量・飛行距離(1トン・1キロメートル)あたり、06年度比10%、90年度比では25%削減を掲げる。
同社では、省エネ航空機の導入のほか、「全国空港周辺の森づくり」「沖縄の美らサンゴ再生プロジェクト」などの環境貢献運動も継続して進める。
また6月1日〜7月10日に、環境フライト「e−flight」を行う。作家のC.W.ニコル氏が出演する番組「空からのメッセージ」を国内線全線で放映し地球環境問題について利用者に考えてもらう。
97年に議決した京都議定書で日本は、CO2とCO2に換算した5種類の温室効果ガスを、08〜12年の5年間で90年比6%削減することとなっている。