日本政府観光局(JNTO)が19日に発表した今年7月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比51.0%増の191万8千人となり、月間の過去最高を記録した。夏の旅行シーズンで訪日需要が拡大したほか、航空路線の拡充、クルーズ船の寄港などが増加要因。中国が前年同月の約2倍の57万7千人となり、全市場を通じて月間の過去最高となった。訪日外客数の今年1〜7月の累計は1106万人に達した。
7月の訪日客数が年間を通じて月間の過去最高になった市場は、中国のほか、台湾、香港、インドネシア。7月として過去最高を記録したのは、韓国、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム、豪州、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツなど。
中国は前年同月比105.1%増の57万6900人。月間での50万人台は全市場を通じて初めて。夏休み時期の家族旅行が人気だったほか、クルーズ船49隻(約12万7千人)が寄港、航空路線も新規に17路線が就航した。
台湾は同29.5%増の36万1700人。夏のピークシーズンに伴う料金の高騰などで団体旅行商品の売れ行きが鈍化。一方で航空路線の拡充などで個人旅行が増加した。
韓国は同37.1%増の34万3800人。一部減便となっていた航空路線が7月中旬から順次通常運航に戻った。JNTOは「MERS(中東呼吸器症候群)の影響はほぼ払拭されたと見られる。6月の出控えの反動需要や円安が好数値につながった」と指摘している。
東南アジアでは、タイが個人客を中心に伸びて同21.0%増の5万1900人。インドネシアは、同51.9%増の2万5500人で7カ月ぶりに月間の最高値を更新。インドネシアは経済の停滞で消費が鈍化する中、訪日旅行市場は好調だった。
欧州では、英国が同34.0%増の2万6300人と大幅な伸び。ボーイスカウトの世界大会開催(山口市)に伴う約4千人の訪日が数値を押し上げた。
訪日外客数の1〜7月累計は、前年同期比46.9%増の1105万8300人となった。このうち中国は275万5500人となり、すでに昨年の年間値(240万9158人)を上回った。
観光庁では、今年の訪日外客数の年間値について、外的な要因が発生しなければ、1800万人を超えると予想している。