中小企業金融公庫はこのほど、今年7月の中小企業景況調査の結果を公表した。それによると、同月の売り上げDI(「増加」とする企業割合から「減少」とする企業割合を引いた値、季節調整値)は2カ月ぶりにマイナス(「減少」超)となった。同公庫では、中小企業の景況を「一進一退の動きとなっている」と判断する。前月の「持ち直しの動きが見られる」からの下方修正となる。利益額DIも同じく、2カ月ぶりにマイナスになった。
調査は7月中旬、3大都市圏の同公庫取引先企業900社(首都圏454社、中京圏140社、近畿圏306社)に実施した。有効回答数は606社で、回答率は67.3%だった。
7月の売り上げDIはマイナス2.3で、前月の0.5から2.8ポイント減少した。前月に5カ月ぶりとなるプラス(「増加」超)を記録したが、わずか1カ月でのマイナス転落となった。
今後3カ月の売り上げ見通しDIは15.8で、前月の17.5から1.7ポイント減少した。
7月の利益額DIはマイナス3.8で、前月の1.0から4.8ポイント減少した。利益額DIもわずか1カ月でマイナスに戻った。ただ、黒字企業割合から赤字企業割合を引いた値は30.9で、前月の29.4から1.5ポイント上昇している。
このほか資金繰りDI(「余裕」とする企業割合から「窮屈」とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス3.5で、前月のマイナス0.5から3.0ポイント低下。これでマイナスは5カ月連続となった。
貸出態度DI(「緩和」とする企業割合から「厳しい」とする企業割合を引いた値)は44.3で、前月の47.2から2.9ポイント低下した。1999年半ば以降、プラスが続いている。