JNTOが7月22日に発表した今年6月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比51.8%増の160万2千人で過去最高だった。中国が全市場を通じて月間の最高値を記録。米国は欧州、北米、豪州の市場の中で初めて月間10万人を超えた。
中国は167.2%増の46万2300人。中東呼吸器症候群(MERS)の影響で行き先を韓国から日本に変更する動きも見られ、FIT(個人旅行者)を中心に需要が押し上げられた。クルーズは30本が寄港するなど好調。航空路線は、鄭州—関西、鄭州—静岡、合肥—名古屋など地方都市線の就航が相次いだ。
台湾は35.8%増の34万5200人で月間の過去最高を記録。エバー航空の台北—札幌線増便、タイガーエア台湾の台北—那覇線就航、チャイナエアラインの台北—花巻線の定期チャーター便の運航などがプラス要因となった。
韓国は21.2%増の25万1500人。MERSの感染拡大が海外旅行需要に影響し、訪日の伸び率は鈍化したが、6月の実績としては過去最高だった。
香港は75.4%増の13万7千人で月間の最高を記録。LCC(格安航空会社)の就航や韓国からの旅行先変更で需要が拡大した。
米国は16.2%増の10万2100人。円安や燃油サーチャージの引き下げなどを背景とした訪日旅行の割安感が定着。継続的に実施してきた旅行博出展や広告展開など、ビジット・ジャパン事業のプロモーションが実を結んだ。
この他、タイが19.5%増の4万3400人、シンガポールが25.3%増の2万9200人、豪州が7.7%増の2万2700人、英国が11.9%増の1万6800人などだった。