「国内景気、後退の兆し」帝国データバンク調査
帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の4月分を公表した。同月の景気DI(0~100、50が判断の分かれ目)は、旅館・ホテルが前月比1.3ポイント減の41.0と、4カ月連続で悪化した。全業種は同0.1ポイント減の46.8と、5カ月連続で悪化。「国内景気は大型連休などを背景としたコスト増や工事関連の停滞が響き、後退局面入りの兆しが引き続き見られる」(同社)。
DIを10の業界別に見ると、6業界が悪化、4業界が改善した。
このうちサービスは同0.3ポイント減の51.6と、2カ月ぶりに悪化。サービス15業種では旅館・ホテルほか、娯楽サービスなど10業種が悪化。飲食店など5業種が改善した。
建設は同0.8ポイント減の52.8と、2カ月ぶりに悪化。DI値は10業界で最も高いものの、統一地方選挙や大型連休に伴う工事停滞が業界全体を押し下げた。
小売は同0.7ポイント増の42.1と、2カ月連続で改善。新年度に伴う家電や家具の需要拡大、気温の上昇に伴うアウトドア商品の売り上げ増が影響した。
10の地域別では、南関東、近畿など5地域が悪化。北海道、中国など4地域が改善。北陸の1地域が横ばいだった。
規模別では、大企業(同0.1ポイント減の49.7)、中小企業(同0.1ポイント減の46.1)、小規模企業(同0.1ポイント減の46.2)の全てが2カ月ぶりにそろって悪化した。
景況感に関する回答企業の主な声は次の通り。
「観光業界は、この10連休でかなり良い」(現在、良い、調度品・備品卸売)。
「10連休の効果で海外旅行が伸びている」(現在、良い、一般旅行)。
「ラグビーW杯と東京五輪を控えて、特需や訪日客の堅調な伸びで比較的好況」(現在、良い、旅行代理店)。
「人材不足により稼働率が低下している」(現在、悪い、一般乗用旅客自動車運送)。
「外国人観光客の増加による景況の上昇は今後も継続する、併せて東京五輪に続く大阪・関西万博と、それに呼応したIR型リゾート開発計画が景気を押し上げ、1年後は好調に転じると見られる」(先行き、良い、精密機械器具卸売)。
「消費税率10%に伴う影響が読めない」(先行き、どちらでもない、特定貨物自動車運送)。