ベトナム航空は9月15日、エアバス A350-900型機5機の導入に関する覚書をエアバス社と締結した。
2033〜2034年の引き渡しを想定しており、今後両社でさらなる調査・評価を行い、関連する契約条件の最終化に向けて協議を進める。
この締結は、フランス共和国におけるベトナム共産党中央委員会書記長兼国家主席トー・ラム氏およびベトナム政府高官代表団の公式訪問に際して行われたもの。ベトナムとフランスの航空分野における協力関係において重要な節目となる。

2030年以降にワイドボディ機30機導入を計画
ベトナム航空は、2030年以降の機材計画において、ワイドボディ機30機の導入を重要な取り組みの一つとして位置付けている。
国際線需要の急速な拡大に対応し、中・長距離路線における輸送力を拡充するとともに、ベトナムのナショナルフラッグキャリアとしての競争力をさらに高めることが目的だ。
ワイドボディ機をこの規模で導入するためには、機材の選定や財務計画、航空機メーカーとの交渉に加え、機材の導入、乗務員の訓練、整備体制の準備など、複数年にわたる計画と準備が必要となる。
航空業界では市場の回復が続き、各航空会社が機材への投資を強化する中、早い段階から準備を進めることで、将来の成長に必要な航空機、人材、整備体制などを計画的かつ積極的に確保していく方針だ。
「世界で2番目」の運航実績を持つA350をさらに拡充
ベトナム航空は2015年にエアバス A350-900の商業運航を開始し、世界で2番目に同型機を運航する航空会社となった経緯がある。
現在、エアバス機81機を運航しており、その内訳はA320およびA321型機が67機、A350型機が14機。今回の追加導入の検討を進めることで、現在運航しているエアバス A350型機と同じ機種を継続して運用できるため、運航や乗務員の訓練、エンジニアリング、整備などの効率化につながることが期待されるという。
エアバス A350は、世界で高い評価を得ている次世代ワイドボディ機の一つ。現在、世界の航空会社で730機以上が運航されており、長い航続距離、高い燃費効率、先進的な客室設計を特長とする。長距離路線を運航する航空会社に広く採用されている機材だ。
両社トップがコメント
ベトナム航空 社長兼 CEO のレ・ホン・ハー氏は、今回の覚書締結について次のように述べた。
「中・長距離国際線において、商品・サービスの品質、運航効率、そして機材の信頼性は、当社の成功を左右する重要な要素です。今回のエアバスとの覚書を契機に、両社で今後の協力の可能性についてさらに検討を進めてまいります。また、今後の成長と競争に向けたベトナム航空の準備を一層強化していきたいと考えています。」
エアバス民間航空機販売担当上級副社長のブノワ・ド・サン=テグジュペリ氏も、次のようにコメントした。
「ベトナム航空は、ベトナムにおけるエアバスの長年にわたる重要なパートナーです。ベトナム航空が現在保有するエアバス A350型機に新たな機材を加えることを決定されたことを、大変光栄に思うとともに、感謝申し上げます。長距離路線における高い運航能力と効率性を備えたエアバス A350-900は、今後の国際線ネットワーク拡大に向けたベトナム航空の計画を支える機材になると確信しています。エアバスは今後も、ベトナム航空の機材の発展と近代化を引き続きサポートしてまいります。」
短期的なリースと長期的な投資を組み合わせる戦略
ベトナム航空は、短期的な需要に対応するため、国際線の運航に適した航空機の追加リースも引き続き進める方針だ。
旅行需要の回復と国際的な航空ネットワークへの接続需要に対応し、機材やリソースを柔軟に運用しながら、商品・サービスの品質向上と安定した運航を実現していく。
さらに、短期的なリースによる機材確保と長期的な機材投資を組み合わせることで、今後の国際線ネットワークの成長に対応し、より快適で質の高い空の旅を提供していくとしている。
ベトナム航空の現状と日本路線
ベトナム航空は1993年にベトナム国営航空会社として設立。スカイチームアライアンスのメンバーだ。
現在、ベトナム国内22都市、海外39都市を結ぶ計118路線を運航。使用機材はボーイング787-9、ボーイング787-10、エアバス A350-900 XWB、エアバス A320、エアバス A321neoといった最新鋭の機種だ。
日本路線については、東京成田、東京羽田、名古屋、大阪、福岡の5空港からハノイおよびホーチミンに運航しており、東京成田および大阪からはダナンへも就航している。日越間で最大の輸送能力を誇る。
航空産業の格付け会社 Skytrax による4スター評価、「AirlineRatings.com」による2024年世界の航空会社トップ20選出、APEX(Airline Passenger Experience Association)による2025年の「5スター航空会社」認定を受けている。
持続可能な開発ソリューションにも積極的に取り組んでおり、2050年までにネットゼロ排出を達成することを目指している。
2024年には日本路線の就航30周年を迎え、ベトナムの独自の文化的アイデンティティを組み込んだ高品質なサービスを提供する航空会社として、アジアを代表する5スター航空会社としての地位確立を目指している。
ベトナム航空の公式ホームページは https://www.vietnamairlines.com/jp/ja/home 。




