Uber Japanと富士吉田市、オーバーツーリズム対策で初の包括連携協定 配車アプリで「乗車スポット」新設、外国人観光客へのマナー啓発も


 Uber Japan株式会社と山梨県富士吉田市は2026年9月4日、「オーバーツーリズム対策に関する包括連携協定」を締結した。Uber Japanが自治体とオーバーツーリズム対策に関する包括連携協定を結ぶのは、今回が初めてだ。富士山観光の玄関口として国内外から多くの観光客を迎える同市において、観光客の利便性と地域住民の安全・安心な暮らしの両立を図ることが目的。Uberアプリを活用した乗車場所の適正化、外国人観光客を含む利用者への地域ルール・観光マナーの情報発信などを実施する。

「適切な乗車スポット」を新設、アプリ上で誘導

 本協定の柱のひとつが、市内中心部における「乗車スポット」の新設だ。

 交通の妨げになりにくい複数の乗車スポットを市内に設け、Uberアプリ上で利用者とドライバーの双方に案内する。適切な乗車場所へ誘導することで、新倉山浅間公園や本町通りをはじめとする観光地周辺での路上乗車や車両の滞留を抑え、交通混雑の緩和を図る。

 乗車地点の明確な案内により、利用者とドライバー双方が適切な乗車場所を共有できる。乗車時の迷いや滞留を減らし、安全かつ円滑な乗降を促進するのが狙いだ。

アプリを「マナー啓発の窓口」に 200以上の国・地域の観光客へ発信

 本協定のもうひとつの柱が、Uberアプリを通じた観光マナー・地域ルールの情報発信だ。

 富士吉田市を訪れる観光客に向けて、交通ルールや住宅街でのマナー、騒音・環境保全などに関する注意事項や観光上のアドバイスをアプリ経由で発信する。特に、日本国内で200以上の国・地域からの観光客に利用されているUberアプリをタッチポイントとして活用することで、外国人観光客にも地域のルールやマナーをわかりやすく伝えることができる点が強みだ。

 これにより、車両の滞留や混雑する路上での乗降を抑えるとともに、観光客と地域社会が共存できる「持続可能な観光モデル」の構築を共同で目指す。

連携の背景 特定スポットへの観光客集中が課題

 連携に至った背景には、富士吉田市が抱える観光地特有の課題がある。

 新倉山浅間公園や本町通りをはじめとする観光スポット周辺に国内外から多くの観光客が訪れる一方、特定の時期や場所への集中による交通混雑が深刻化していた。地域住民の生活環境への影響も課題となっていた。

 Uber Japanは2025年9月に「Uber Taxi」、2026年1月に「Uberプレミアム」のサービス提供を富士吉田市内で開始。現在は国内外から訪れる観光客を中心に、市内や周辺地域への移動手段として、Uberアプリを通じたタクシーやハイヤーの配車が多く利用されている。今回の協定では、こうした観光客との接点を活かし、Uberアプリを移動手段としてだけでなく、地域の交通課題の解決や観光客への情報発信にも活用する。

連携5項目の詳細

 本協定に基づく主な連携内容は以下の5項目だ。

1. 観光地及び周辺地域における混雑緩和に資する取り組み

 交通の妨げになりにくい複数の「乗車スポット」を市内に新設し、Uberアプリ上で利用者とドライバー双方に案内する。適切な乗車スポットへの誘導により、新倉山浅間公園や本町通りを中心とする混雑エリアでの路上乗車や車両の滞留を抑え、交通混雑の緩和を図る。

2. 観光客の安全・安心な移動及び円滑な交通の確保

 Uberアプリ上で乗車地点を明確に案内し、利用者とドライバー双方に適切な乗車場所を共有することで、乗車時の迷いや滞留を減らし、安全かつ円滑な乗降を促進する。

3. Uberアプリを通じた観光マナー、地域ルール等に関する情報発信及び啓発

 富士吉田市を訪れる観光客に向けて、交通ルールや住宅街でのマナー、騒音・環境保全などに関する注意事項や観光上のアドバイスをUberアプリを通じて発信する。日本国内で200以上の国・地域からの観光客が利用するUberアプリをタッチポイントとして活用し、外国人観光客にも地域のルールやマナーを伝える。観光と地域住民の暮らしが調和する地域社会づくりを目指す。

4. 混雑状況、交通規制、イベント等に関する情報の共有

 桜や紅葉のシーズンなど、特に混雑が予想される時期には、富士吉田市とUber Japanが混雑状況や交通規制、イベントなどに関する情報を共有する。状況に応じて規制エリアの設定や、利用者・ドライバーへの誘導方法などについて協議し、円滑な交通の確保を図る。

5. その他、オーバーツーリズム対策及び持続可能な観光の推進に資する事項

 地域の交通課題や観光需要の変化に応じて、双方が連携し、新たな取り組みを柔軟に検討・実施する。

堀内市長「官民連携で持続可能な観光都市づくりへ」

富士吉田市の堀内茂市長はコメントを寄せた。

 「この度、世界的なネットワークと先進的なテクノロジーを持つUber Japan様とオーバーツーリズム対策に関する包括連携協定を締結できたことを、大変心強く思っております。配車アプリを通じた観光動線の最適化やマナー啓発を通じて、世界中から訪れる観光客を適切に案内するとともに、市民の生活環境も守っていく。官民が連携し、観光客にとっても地域住民にとっても快適で、持続可能な質の高い観光都市づくりを目指してまいります」

Uber Japan山中GM「単なる移動提供にとどまらない」

Uber Japan株式会社の代表ゼネラルマネージャー・山中志郎氏も協定締結への思いを語った。

 「日本を代表する観光地である富士吉田市様と、Uber Japanとして初となるオーバーツーリズム対策の包括連携協定を締結できたことを大変光栄に思います。私たちが目指すのは、単なる『便利な移動の提供』にとどまりません。世界中から訪れる旅行者と地域社会をつなぐプラットフォームとして、観光客の移動を支えるとともに、地域のマナーを伝えることで、観光と地域の暮らしの両立に貢献していきたいと考えています。富士吉田市様とともに、テクノロジーとグローバルなネットワークを活かし、持続可能な観光の実現に取り組んでまいります」

 
 

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