チーム対抗の潟スキー
教育旅行は、非日常の環境でさまざまな人と触れ合うことで、生徒にとって絶好の成長の機会となる。自ら計画し、仲間と協力して行動する中で、責任感や判断力などが育まれる。今回は、こうした生徒の主体性を引き出すための修学旅行を実施した、大阪府高槻市立第二中学校の実践事例を紹介する。
ミニガタリンピック体験、泥んこになり縮まる距離感
大阪府高槻市の北西部に位置する高槻市立第二中学校(高谷陽子校長)は1949年2月開校。市内で2番目に古く、伝統ある中学校だ。JR高槻駅から徒歩約30分、バスで約10分の距離にあり、近くには継体天皇の真の陵墓候補の一つとして知られる前方後円墳「今城塚古墳」がある。
「自ら考え行動する力、協働して生きる力をはぐくむ」を教育目標に掲げる。全校生徒数は767人。
修学旅行は3年生を対象に、今年5月20~22日に実施。方面は九州北部(佐賀県鹿島市・佐賀市、福岡県太宰府市・福岡市、長崎県長崎市)で、3年生254人のほぼ全員が参加した。このほか、管理職・教員17人、看護師、写真業者、旅行会社添乗員が同行。
「目標は安全に留意し、規律ある集団活動を通して自主性を育てる。修学旅行での生活を通して、クラス・学年の団結を深め、進路の取り組みに向けて協力できるクラス・学年のまとまりを作る。そして、資料館の見学や長崎市内FW(フィールドワーク)を通して平和について考えること」と高谷校長。
20日はJR新大阪駅で出発式を行い、新幹線で博多駅に。バスで佐賀県の有明海に向かい、「道の駅鹿島」(鹿島市)でミニガタリンピックを体験した。
「ミニガタリンピック体験は毎年実施しています。高槻は都会で、自然と触れ合う機会が少ないため、全身泥だらけになって楽しめるのは貴重な経験です」と半原綾乃教諭はいう。
伝統漁具のガタスキーに乗って潟の上を滑り競う「人間ムツゴロウ・ガタスキー競争」、潟の上で綱引きをしながら、ぬかるんでいく楽しみを味わえる「潟上綱引き」、干潟上をバタフライやクロールで一斉に泳いで競う「潟フライ競争」などを体験。所要時間は2時間半ほど。同行者は観覧席で見守る。

説明を聞く生徒
使わなくなったTシャツやハーフパンツなどに着替え、体験。最初は潟に浸かり、泥んこになることもためらう生徒もいたが、一度浸かってしまえば吹っ切れるのか、進んで競技に参加する生徒もいるという。笑いが絶えず、無邪気に楽しむ姿は、自然と親しむ大切さを教えてくれる。
チームを結成して競技に臨み、上位入賞者には鹿島ガタリンピック特製のメダルや表彰状が贈られた。
「3年生になってまだ間もなく、クラスの仲間がどんな人なのかよく分からない中での修学旅行ですが、泥んこ体験や班別自主研修などを通じて仲間意識というか、連帯感が生まれ、帰ってきた後は教室の空気もいい方向で変わります」と半原教諭。

チーム対抗の潟スキー

クラス対抗の潟綱引き
宿泊施設は20、21日とも佐賀市・川上峡温泉のホテル龍登園。「貸し切りにしていただいたため、館内放送などを使用させてもらい、また、クラスミーティングを行う際に、クラスごとに個別の部屋を用意してくれ、ありがたかった」と半原教諭。
宿泊施設については、「安全安心な修学旅行を行うには、施設の協力が必要不可欠。旅行中、アレルギーへの対応や体調不良の生徒が出た際など、急なお願いをする場面がありますが、どのような状況でも快く、柔軟にサポートをしていただけることは引率教員としても非常にありがたい」という。
今回の費用は1人約6万3千円。このほか、生徒1人当たり土産代や飲み物代などで8千円を認めている。高谷校長は、「6万円超えは正直高いと思う。が、昨今の物価高や、バスの手配も難しい状況と聞いており、仕方がないのかなとも思います」という。
旅行会社は入札で行い、今回は近畿日本ツーリストに決めた。「対応に満足している」と高谷校長。
21日は長崎市に異動し、午前は長崎原爆資料館の見学を通して命と平和の尊さを学び、午後は班別自主研修。夕食後はクラスミーティングを。22日は太宰府天満宮を中心に散策や土産を買う時間にあてた。
博多駅から帰路に。新大阪駅で解団式を行い、午後7時に高槻駅着。
「修学旅行にはこだわり、子供たちの未来につながるようにしたい」と高谷校長はいう。




