ベルトラ株式会社は8月10日、世界最大級のHop-on Hop-off(乗り降り自由)観光バス事業者であるBig Bus Tours Limited(英国・ロンドン)との間で、日本市場における事業提携を前提とした基本合意書(MOU)を締結した。
世界4大陸・25都市以上で事業を展開し、年間600万人を超える観光客にサービスを提供するBig Bus Toursが、日本市場への参入を視野に入れた正式な協議を開始する。ベルトラが持つ国内ネットワークおよびDX基盤と、Big Bus Toursの世界水準の運営ノウハウ・ブランド力を融合し、訪日外国人旅行者向けの新たなサービス提供を目指す。
日本のインバウンド市場が抱える「移動課題」が背景に
今回のMOU締結の背景には、急拡大する日本のインバウンド市場が直面する構造的な課題がある。
訪日外国人旅行者数の拡大に伴い、一部都市への旅行者集中や、都市内・都市間のシームレスな移動の難しさが顕在化している。特に、公共交通に不慣れな海外からの旅行者にとって、主要観光スポットを効率よく周遊できる移動手段の存在は、旅の満足度を左右する重要な要素だとベルトラは説明する。
こうした課題を解決する手段として、両社はHop-on Hop-off型の観光バスサービスに着目。乗り降り自由の仕組みは、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ドバイ、ローマ、シンガポールなど世界有数の観光都市ですでに定着しており、そのノウハウを日本市場に導入することで、訪日旅行者の周遊体験を大きく改善できると両社は判断した。
ベルトラは「今回のMOU締結は、海外トップブランドの知見を日本市場に導入し、地域の観光活性化を実現するための第一歩と位置づけており、積極的に事業化の実現に挑戦する所存だ」としている。
展開候補都市の選定と地域バス事業者との連携が焦点
本MOUに基づき、両社が取り組む主な検討事項は以下の3点だ。
まず、日本国内主要都市における市場性評価と展開候補都市の選定。両社は日本国内の主要都市を対象に、Hop-on Hop-off観光バス事業の市場性評価を開始しており、訪日外国人旅行者の周遊ニーズや各都市の交通事情・観光資源を踏まえたうえで、優先度の高い都市から検討を進める方針だ。
次に、提携候補となる地域バス事業者の選定。事業の具体化にあたっては、各都市における運行実務を担う地域バス事業者との連携が不可欠となる。両社は安全性・運行品質・地域との協調性などを基準に、提携候補となる地域バス事業者の選定を進める。
そして、世界水準の運営ノウハウとDX基盤の融合。ベルトラが展開するトラベル&モビリティに関するDX事業と、Big Bus Toursの運営ノウハウ・ブランド力を組み合わせることで、日本における旅行・モビリティ市場のさらなる活性化を図る。ベルトラは事前予約サービスの提供にとどまらず、モビリティテックによる需要と供給のリアルタイムマッチングを実現する総合ソリューションの提供を目指している。
1991年創業、30年以上の歴史を持つBig Bus Toursとは
Big Bus Toursは、英国ロンドンに本拠を置く世界最大級のHop-on Hop-off観光バス事業者だ。1991年の創業以来30年以上にわたり、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ドバイ、ローマ、シンガポールなど世界4大陸・25都市以上で事業を展開。年間600万人を超える観光客にサービスを提供し、世界的なブランド力と豊富な運営ノウハウを有する業界最大手として知られる。
ベルトラの事業概要
MOU締結の当事者であるベルトラ株式会社は、現地体験型アクティビティ専門予約サイト「ベルトラ」を運営する企業だ。東証グロース(証券コード:7048)に上場しており、本社は東京都中央区。代表取締役社長は二木渉氏。
同社の現地ツアー数は約25,000ツアー、現地ツアー催行会社数(世界)は約9,000社にのぼる。取り扱い国数は150カ国、会員数は約285万人、参加体験談は約610,000件を誇り、旅行会社の枠組みを超え、国内から海外、旅行前から旅行後、オンラインからオフラインまで「心ゆさぶる体験」に出会うためのソリューションを提供すると標榜する。
正式契約締結に向けた協議を継続
今後は対象都市および事業スキーム等について両社間で協議を進め、正式契約の締結および事業化を目指す。
ベルトラは「本MOUは両社の事業提携に向けた検討開始を確認するものだ」としており、今後の進捗については開示基準に該当する事項が確定した時点で、改めて発表するとしている。
Big Bus Toursの公式サイトはhttps://www.bigbustours.com/、ベルトラの公式サイトはhttps://www.veltra.com/jp/で確認できる。





