サクラアワード、第14回に向けて活動方針説明会を開催 37カ国・約4000エントリーでアジア最大級のワインコンペティションに


一般社団法人ワインアンドスピリッツ文化協会の代表理事 田辺由美氏

 一般社団法人ワインアンドスピリッツ文化協会(代表理事:田辺由美)は7月13日、「”SAKURA” Japan Women’s Wine Awards 活動方針説明会 ~女性の感性が創る、”ワインと食”文化~」をザ・キャピトルホテル東急で開催した。在外公館、後援団体、業界関係者など延べ約450名が参加した。

 2026年度(第13回)の実績報告と、第14回(2027年)に向けての活動方針が共有された説明会は、第1部の活動方針説明会(11:00〜12:00)と第2部の懇親会・受賞ワイン試飲(12:30〜14:00)の二部構成で行われた。

アジア最大級、世界でも上位のワインコンペティションに成長

 サクラアワード(”SAKURA” Japan Women’s Wine Awards)は2014年に創設。日本の女性ワインプロフェッショナルのみが審査を行う、アジア最大級の国際ワインコンペティションだ。

 2026年度は37カ国から3715アイテムのエントリーを受け付けた。過去最多の参加国数となる。エントリー数の推移は、2014年の1922アイテムから2022年の4652アイテムをピークに推移しており、近年は3700台後半から4000超の水準で安定している。

 主宰・審査責任者の田辺由美氏は説明会の場でこう述べた。「コロナの時もサクラアワードはいたしました。非常に大変ではありましたけれども、やはりワインというのは農産物です。コロナであっても、ワインができる、ぶどうが栽培される。やはりそれを作っていらっしゃる生産者のことを考えると、コロナの時でもやろうということで」。

 AIによる調査でも「世界で7番目に大きいワインコンペティション」「世界で第5位から8位のどこかに入っている」との結果が出ていると田辺氏は紹介した。

「女性の味覚」と「和食ペアリング」が独自性の核

 サクラアワードの最大の特徴は、全審査員が日本の女性プロフェッショナルである点と、和食・アジア料理とのペアリングを審査に組み込んでいる点にある。食とのペアリングをワインコンペティションの審査に取り入れているのは「世界の中でこのサクラアワードだけ」(田辺氏)だ。

 審査には毎年430名以上の女性ワインプロフェッショナルが集まる。ソムリエをはじめ、ワイン輸入会社、流通・販売、醸造家、ワインスクール講師、ワインジャーナリストなど、ワイン業界の様々な場面で活躍する現役のスペシャリストで構成される。

2026年度の受賞結果は以下の通り。

  • ダイヤモンドトロフィー:65アイテム(全体の約1.7%)
  • ダブルゴールド:274アイテム(全体の約7.4%)
  • ゴールド:1272アイテム
  • シルバー:714アイテム
  • 非受賞:1455アイテム
  • 受賞率:61%

 ダイヤモンドトロフィーは、ダブルゴールドを受賞したワインの中からさらに優れた最高のワインに与えられる賞だ。

東欧諸国のエントリー増加と未輸入ワインの台頭

 2026年度の国別エントリー数トップ10は次の通り。フランスが816アイテムで首位、イタリア691、日本429、スペイン417、チリ296、オーストラリア202、ポルトガル146、アメリカ合衆国107、モルドバ106、南アフリカ76と続く。

 田辺氏は東欧諸国の動向について特に言及した。「東欧諸国からのエントリーが非常に多くなってきています。そしてまた、東欧諸国の国々のエントリーだけでなくて受賞率も高いんですね。これは本当に審査員の方も東欧諸国の固有品種というものをしっかり勉強していただいて、そしてそれを評価する力がついてきた」。

 モルドバ、チェコ、ジョージア、スロバキア、ルーマニアといった、歴史はありながらも日本ではまだ知名度が低い産地のワインが、ブランドや先入観を排した純粋な品質評価によって再評価されつつあるとの認識を日本洋酒輸入協会理事長の磯野太市郎氏も示した。

 また、エントリー全体のうち未輸入ワインが18%を占めている点も注目すべき数字だ。本数にすると約650本が日本未輸入のワインに当たる。「日本の市場、日本の輸入業者さんにもっともっと新しいワインを紹介してもらいたいということで、未輸入のワインが増えてきています」と田辺氏は説明した。

 エントリー比率は海外エントリーが56%、国内エントリーが44%。カテゴリー別では赤が43.1%で最多、白32.9%、スパークリング15.6%、ロゼ4.2%と続く。

女性ワインメーカー賞グランプリはフランス・ブルゴーニュのAmélie Faivret氏

 2026年度の女性ワインメーカー賞グランプリは、フランスのブルゴーニュにある「ブシャール・エネ・エ・フィス(Maison Bouchard Aîné & Fils)」のAmélie Faivret氏が受賞した。受賞ワインはBourgogne Pinot Noir 2024。同氏はダイヤモンドトロフィーも同時受賞した。

 受賞コメントとしてFaivret氏はこう述べた。「2026年女性ワインメーカー賞のグランプリを受賞できたことを大変光栄に思うとともに、心より感謝申し上げます。今回の受賞は、1750年以来ブルゴーニュワインの歴史を継いできた、ボーヌの中心にあるワイナリー『ブシャール・エネ・エ・フィス』にとって特別な賞で、9世代に渡り受け継がれてきた伝統から受け継いでいるインスピレーションは、日々の私の仕事の指針となっております」。

 女性ワインメーカー賞は毎年10名の優れたワインを造った女性醸造家に贈られ、その中で最高得点を獲得した1名にグランプリが与えられる。2026年は「初めて日本でワインを造っていらっしゃる方が(トップ10に)選ばれる」(田辺氏)という記念すべき年でもあった。

日本ワインは550超のワイナリーから33都道府県がエントリー

 日本ワインのエントリー数は直近の推移を見ると着実に増加している。2026年度は33都道府県から429アイテムがエントリー。都道府県別のエントリー数トップは山梨県の100アイテムで、以下、北海道57、長野県39、岩手県31、山形県29と続く。

 特筆すべきは品質面での向上だ。「今年はなんと初めてなんですけれども、5つのワイナリーさんがダイヤモンドトロフィーの受賞がございました。なかなかダイヤモンドトロフィーに届く日本のワインがなかったんですけれども、去年から今年は5本ということで、本当に日本のワイナリー、増えているだけではなくて、本当に品質が非常に向上している」と田辺氏は語った。

 現在、日本国内のワイナリー数は550を超えている。日本ワイナリー協会によると、国税庁資料ではこの10年でほぼ倍増し、協会員数は2026年6月末現在で全国350社と10年前の約2.5倍となった。ただし、その96.2%は中小規模のワイナリーであり、製造免許取得から3年未満の新規参入が全体の一定割合を占めるなど、経営面での課題も多い。

 日本ワイナリー協会はこのような現状を説明したうえで、「品質の優れた飲んで満足のいくワインを流通関係の方々はもとより、広くお客様に知っていただくためには、やはりこのサクラアワードのような知名度の高い権威あるコンペティションの場で高い評価をいただき、それを販売へとつなげていただくことが大切」と述べた。

特別賞の拡充:低アルコール・ノンアルコール、ロゼに注力

 特別賞の体系は現在、以下の通り設けられている。

  • 女性ワインメーカー賞(グランプリを含む)
  • ロゼワイン賞
  • いつも飲みたいスパークリング賞
  • デザートワイン賞
  • フォーティファイド賞
  • オレンジワイン賞
  • コストパフォーマンス賞
  • グランプリ ジャパニーズワイン賞
  • 低アルコールワイン賞
  • ノンアルコールワイン賞
  • 和食・アジア料理に合うワイン賞(寿司、天ぷら、すき焼き、焼き鳥、鉄板焼き、寄せ鍋、中華料理、韓国料理、タイ料理)

 2025年から新設した低アルコールワインとノンアルコールワインの賞は好評で、2026年度はこの2カテゴリー合わせて約200アイテムのエントリーがあった。「健康志向ということもありまして、あるいは女性の場合、妊娠しているときとか、それからやはりお酒が飲めない、そういうときにこのペアルコール・ノンアルコールというものが市場の広がりがあるだろう」と田辺氏は見通しを示した。また2026年度からは「フレーヴァードワイン」も新カテゴリーとして導入された。

 ロゼワインの普及も課題として明確に掲げられている。「なかなかロゼは日本では売れないというお言葉も聞きますけれども、本当に売れないのか、やはり売り方を考えなくちゃいけないのか」(田辺氏)。6月に開催されたWINE TOKYO 2026でサクラアワードがロゼワインを集めてプレゼンテーションしたところ、「品種によってロゼワインってこんなに味が違うんだね」という反応が多く寄せられたという。

国内151社・海外の大使館・生産者団体と連携

 販売面では、国内151社の酒販店・卸業者・百貨店・スーパーなどが販売協力会社として登録している。主な提携先には東亜商事、株式会社三越伊勢丹、エノテカ、株式会社成城石井、アマゾンジャパン、イオンリカー、株式会社阪急阪神百貨店、生活共同組合コープさっぽろなどが名を連ねる。

 受賞ワインにはメダルロゴステッカーが付与される。「女性審査員が選んだ美味しいワインの証として『料理に合い、安心感がある』と年々評価が高まっています。ワイン売り場で迷うお客様の背中を押すのがこのステッカー」と公式資料に記されている。リピート購入率の高さも特徴の一つとされる。

 海外では在日大使館・在日協会・生産者団体など95団体以上の後援を受けている。プロヴァン(フランス)、ドイツ、イタリア、スペイン、チリなど世界の主要ワイン産地の関連団体が名を連ねる。大阪関西万博2025にも参加し、フランス大使館との共同イベントにも出演した。

 日本洋酒輸入協会理事長の磯野太市郎氏は挨拶でサクラアワードを「次に日本の市場で何が愛されるのかを示唆していただける羅針盤のような存在」と表現し、「田辺代表がまかれた種が、今や日本のワイン市場の多様性と食文化の成熟という大きな大輪の桜を咲かせていることは、注目すべき素晴らしい功績」と述べた。

第14回(2027年)に向けた3つのスローガンとビジョン

 第14回サクラアワード2027に向け、サクラアワードは以下の3つのスローガンを掲げた。

  1. 日本におけるワインの消費量を伸ばす
  2. 料理に合うワインを探すお手伝いをする
  3. ワイン業界で働く女性の活躍の場を広げる

 今後のビジョン(VISION2027)として、SNS・ジャーナリスト・インフルエンサーを通じた消費者との接点強化、アジアでの知名度拡大によるインバウンド需要の掘り起こし、ビオ・オーガニック・低アルコール・ノンアルコールなどサステナブル対応、ロゼワインを広めるキャンペーンの実施、地域に結び付いた日本ワインとの連携を明示。「受賞ワイン=売れるワイン」となるようブランド価値を強化し、「世界で最も日本市場に影響力のあるワインアワード」を目指すとした。

 田辺氏は締めくくりとして「美味しいワインをたくさん飲んで、近くのスーパーあるいはネットでビーザブルで美味しいワインを探して、そして食卓を明るくなるそういう生活を私は広げていきたいと思っています」と述べた。

 第14回サクラアワード2027のエントリー期間は2026年10月1日(木)から11月30日(月)まで。サンプル配送の締め切りは12月10日(木)。審査会は2027年2月2日(火)に大阪、2月9日(火)に東京でそれぞれ開催。受賞結果の発表は2027年3月1日(月)。グランド・テイスティングは2027年4月20日に予定されている。10月31日(土)までのクレジット決済には早割(5%引き)が適用される。エントリーや詳細はサクラアワード公式サイト(www.sakuraaward.com)まで。

一般社団法人ワインアンドスピリッツ文化協会の代表理事 田辺由美氏

 

 
 

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