前回コラムでは、2026年10月に施行されるカスハラ対策法が求める四つの措置を、現場にどう落とし込むかを取り上げた。方針を掲げ、相談の体制をつくり、対応と記録を整備し、相談した従業員を守る。いずれも、現場が明日から対応するために必要な準備だ。
今回コラムでは、経営者の立場から制度改正を捉えたい。制度対応は社労士に任せているので大丈夫、と考える経営者もいるだろう。しかし、この改正は、旅館・ホテルの経営そのものに関わるものだ。何を押さえ、何を準備しておくべきかを説明しよう。
最初に押さえたいのは、この法律の罰則の仕組みだ。措置を怠ったこと自体に、罰金はない。行政の指導や勧告があり、それでも従わなければ企業名が公表される。報告の求めに応じなかったり、偽った報告をしたりすれば、20万円以下の過料が科されるが、その程度である。
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