エア・カナダは7月8日(モントリオール現地時間)、次期社長兼最高経営責任者(CEO)および取締役に、アンコ・ファン・デル・ウェルフ氏が2027年1月末までに就任すると発表した。現在スカンジナビア航空(SAS)の社長兼CEOを務める同氏は、エア・カナダに19年間在籍した経験を持ち、先に退任を発表していたマイケル・ルソー氏の後任となる。ルソー氏の退任日は2026年8月31日。国際的な航空業界で25年以上のリーダーシップ経験を持つグローバルエグゼクティブの招へいは、世界規模で実施された広範なトップスカウトを経て決定した。
エア・カナダ取締役会会長のヴァン・ソーレンセン氏は「当社の取締役会は、この役職に関心を示してくださった世界中の経験豊富なエグゼクティブの方々の質の高さに深い感銘を受けた」とした上で、「ファン・デル・ウェルフ氏のような卓越した人物を、エア・カナダを率いるリーダーとして迎えることができ、大変嬉しく思っている」と述べた。

欧州・中南米・中東を股にかけたキャリア
ファン・デル・ウェルフ氏は現在、SASスカンジナビア航空の社長兼CEOを務めており、大規模な変革と戦略的刷新の時期を通じて同社を牽引してきた。2021年にSASに入社する前は、中南米を代表する航空会社の一社であるアビアンカ航空のCEOを務めた。
それ以前のキャリアでは、アエロメヒコ航空の副社長兼最高商業責任者(CCO)を歴任。さらにカタール航空で商業部門のシニアリーダーシップ職を、KLMオランダ航空(現エールフランス-KLM)で複数の管理職を担ってきた。欧州、中南米、中東と、まさにグローバルな舞台で実績を重ねてきた人物だ。
ソーレンセン会長は同氏について「直近でのスカンジナビア航空、アビアンカ・グループ、アエロメヒコ、そしてそれ以前のKLMオランダ航空(現エールフランス-KLM)やカタール航空における先見的なリーダーシップがその証拠だ」と評価した。
6か国語を操るマルチリンガル
ファン・デル・ウェルフ氏はオランダ出身で、母国語はオランダ語。フランス語でのコミュニケーションも可能で、今回の選考においては、フランス語でのコミュニケーション能力を含む多くの評価基準が考慮された。これら2言語と英語のほか、グローバルキャリアを通じてスペイン語、イタリア語、スウェーデン語もさまざまなレベルで習得している。計6か国語に精通するマルチリンガル。
学歴面では、ライデン大学で法学修士号を取得し、ハーバード・ビジネス・スクールでエグゼクティブ・プログラムを修了している。
また、2026年6月まで国際航空運送協会(IATA)の理事を務めたほか、航空、テクノロジー、ビジネス分野における複数の国際機関の取締役も歴任した。
「一日も早く業務を開始したい」
就任への意気込みについて、ファン・デル・ウェルフ氏は「エア・カナダは世界的な航空業界のリーディングカンパニーだ」と述べ、「この象徴的なカナダの企業が、その戦略と目標の達成に向け前進し、数々の受賞歴を誇る従業員文化や顧客価値提案をさらに発展させ、より輝かしい未来への準備を整える中で、その舵取りを担うリーダーに選ばれたことを大変光栄に思う」と語った。
続けて「エア・カナダの優秀な経営陣、そしてすべての従業員の皆様と緊密に連携し、株主やお客様に対するコミットメントを果たしていくことを楽しみにしている。モントリオールへの赴任を心待ちにしており、一日も早く業務を開始したいと考えている」とコメントした。
ルソー前CEOへの感謝と引き継ぎ体制
ソーレンセン会長は退任するルソー氏についても言及。「取締役会は、マイケル・ルソーの優れたリーダーシップと多大なる貢献に深く感謝している。エア・カナダが世界の航空会社の中で、他社が羨むほどの揺るぎない地位を築くことができたのは、同氏の功績によるところが非常に大きい。同氏が残したこれまでの功績、そして今回の引き継ぎにおける支援に心より感謝する」と述べた。
ルソー氏は退任日である2026年8月31日まで引き継ぎ期間中も引き続き業務にあたる。ルソー氏の退任後、ファン・デル・ウェルフ氏の就任までの引き継ぎ期間が終了するまでの間、執行委員会は取締役会に直接報告を行う体制をとる。
エア・カナダについて
エア・カナダはカナダ最大の航空会社であり、同国のフラッグキャリア。世界最大級の航空ネットワークであるスターアライアンスの創設メンバーでもある。本社はモントリオールにあり、カナダ、アメリカ、そして世界6大陸にわたる国際線を含む180以上の空港へ定期便を運航している。スカイトラックス社から4つ星の評価を獲得しており、世界的にも高い評価を受ける。
エア・カナダの「アエロプラン」プログラムはカナダを代表する旅行ロイヤルティプログラムで、世界中に1,000万人以上の会員を擁している。会員は世界最大の航空会社ネットワーク(50社)に加え、幅広い商品、ホテル、レンタカーのパートナーを通じてポイントを獲得・利用できる。
「エア・カナダ バケーションズ」を通じては、世界中の数百の目的地にホテル、航空券、クルーズ、日帰りツアー、レンタカーなどを組み合わせた幅広い旅行商品を提供。貨物部門「エア・カナダ カーゴ」は、旅客機および貨物専用機を活用し、6大陸にわたる数百の目的地への航空貨物輸送と接続を提供している。
気候関連の取り組みとして、2050年までに温室効果ガス排出量をネットゼロにするという長期的な目標を掲げている。エア・カナダの株式はカナダのトロント証券取引所(TSX: AC)および米国店頭市場(OTCQX: ACDVF)に上場されている。




