J.D. パワー アジア・パシフィックは、2017年 北米レンタカー顧客満足度調査の結果を発表した。
《J.D. パワー 北米レンタカー顧客満足度調査》
業界全体の満足度は向上、価格競争による料金低下が主な要因
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワー(本社:米国カリフォルニア州コスタメサ)は、2017年北米レンタカー顧客満足度
調査の結果を発表した。
調査の結果、ウーバーやリフトなどの相乗りサービスの台頭で全体的にレンタカーの利用料金が低下し、それにより総合的な満足度が向上していることが明らかになった。
主な調査結果は下記のとおり。
◆2017年の総合満足度は、昨年から22ポイント向上して826ポイント(1,000ポイント満点)となった。
満足度の向上は主に「各種料金」によるもの。2017年の料金は平均で一日当たり11ドル値下がりした。
◆レンタカー受取までの待ち時間は2013年から平均で2分長くなった。ユーザーの約二割が受取時、返却時の手続きに問題ありと答えている。これは主に空港でのレンタカー利用者数の増加と空港建設工事によるもの。
◆料金の値下げが総合的な満足度に最も影響している一方で、料金が決め手とするユーザー層の満足度は最も低く(787ポイント)、装備やメリットが決め手とするユーザー層の満足度が最も高かった(889ポイント)。
価格競争激化の中でも、装備やメリットが満足度に大きく影響していることがわかる。
◆インターネット上に利用後の口コミを投稿するユーザーの70%がレンタカー会社からの回答を期待していることがわかった。これは、ホテルや航空会社のユーザー(それぞれ45%)をはるかに上回る数字である。
また、口コミに対してレンタカー会社の回答が得られた場合、満足度は平均で63ポイント向上し、実際に問題が解決した場合は95ポイントと大幅に向上することがわかった。
尚、2017年 北米レンタカー顧客満足度ランキング上位3位は下記のとおり。
エンタープライズ社は4年連続の一位受賞となる。
1位 エンタープライズ(851ポイント)2位 ナショナル(846)3位 アラモ(828)
レンタカー業界全体の満足度は向上しているものの、今回の結果は業界が本来望んでいる形でのものとはいい難い。待ち時間解消や円滑な手続きなどサービス向上に向け、今後業界全体の改善姿勢が問われる。