観光庁は17日、訪日外国人旅行者の2016年の旅行消費額(速報値)が前年比7・8%増の3兆7476億円だったと発表した。訪日外国人消費動向調査の結果。旅行者数の増加に伴って過去最高を記録したが、為替レートや買い物動向の変化で1人当たりの旅行支出は同11・5%減の15万5896円となり、前年の支出額を下回った。
市場別の旅行消費額は、中国が4・1%増の1兆4754億円で、消費額全体の39・4%を占めた。続いて台湾が0・7%増の5245億円、韓国が18・9%増の3578億円、香港が12・2%増の2947億円、米国が17・4%増の2130億円など。
1人当たりの旅行支出は、中国が18・4%減の23万1504円だった。中国の旅行支出の減少は、携行品輸入の関税引き上げ(4月)、越境EC(電子商取引)の拡大などの影響で、旅行中の買い物支出が減少したためとみられている。
他の市場の1人当たりの旅行支出は、台湾が11・1%減の12万5854円、韓国が6・5%減の7万281円、香港が7・0%減の16万230円、米国が2・4%減の17万1418円などだった。
ただ、観光庁は1人当たりの旅行支出の減少について、円高基調だった為替レートの影響が大きく、現地通貨ベースで換算すると、必ずしも支出の意欲が減退していないと指摘する。
旅行消費額全体の76・5%を占める中国、台湾、韓国、香港、米国について見ると、各現地通貨に対する為替レートは前年に比べて10・8%~17・1%の円高。現地通貨ベースに換算した1人当たりの旅行支出は、中国を除いて前年から増加している。