日本観光振興協会はこのほど、2019年度の「観光ボランティアガイド団体」調査の結果をまとめた。それによると、組織数は1728で、ガイドは4万6147人いることが分かった。前年度と比べ、組織数は89増えたものの、ガイド数は12人の微減。抱えている課題で最も多いのは「後継者育成」で、9割弱の組織が挙げた。
調査対象は全国のボランティアガイドを行っている組織(日観振が把握している組織など)。2005件に調査票を発送し、1402件から回答があった。
1組織当たりの人数は10人以上20人未満が32.8%と最も多かった。次いで20人以上30人未満の18.1%、5人以上10人未満の16.6%。100人以上という組織は3.6%にすぎない。
ガイド料金については、有料が25.7%、無料21.2%、実費負担17.8%など。有料の場合の料金設定基準は「ガイド1人当たり」の割合が30.7%と最も高く、その料金は千円以上3千円未満が約半数を占める。次に割合の高い「お客さま1人当たり」では500円以上千円未満の料金設定をする組織が多い。
訪日客の増加に伴い、ボランティアの存在感は増す一方だが、外国人客に「対応している」と答えたのは17.9%、「通訳が同行の場合のみ対応」は21.6%、「対応していない」も27.1%あった。対応言語は英語が主で、次いで中国語、韓国語の順。ポケトークや翻訳アプリの使用や予定の回答が2%あり、ITツール活用が進みそうだ。
年間どのくらいの案内実績があるかを聞いたところ、100人以上500人未満(23.8%)と千人以上3千人未満(23.3%)の割合が高い。日本人と外国人の比率をみると、日本人89%、外国人11%となり、日本人が圧倒的に多い。
気になる収入だが、年間で10万円以上50万円未満と答えた組織が41.7%と最も多かった。次いで50万円以上100万円未満の16.7%、100万円以上500万円未満の14.6%。500万円以上は6.8%。収入の内容は会員からの会費が67.8%、支出は事務費が69.3%だった。
課題については、後継者育成のほか、案内技術の向上や財源、外国人受け入れなどを挙げている。6.2%あった「その他」には「メンバーの高齢化」や「集客力低下」といった回答も。