日本オートキャンプ協会(JAC、明瀬一裕会長)は11日、キャンプの状況を分析した「オートキャンプ白書2018」を発表した。それによると、17年のオートキャンプ参加人口(1年間に1回以上オートキャンプをした人の数)は前年比1.2%増の840万人となり、5年連続して前年を上回った。明瀬会長は「国民的レジャーとして定着してきた」との認識を示した。
背景には、人口ボリュームの高い団塊ジュニアの世代が子育て世代となってオートキャンプの中心になっていることや、キャンプを題材にしたアニメ「ゆるキャン」の放送による若者のキャンプへの関心増、1人でキャンプを楽しむスタイルの広がりなどがある。
17年で顕著だったのが秋以降の「冬のキャンプ」の伸びで、冬ならではのキャンプを楽しむ動きが広がったという。冬にキャンプ用品を購入する人が増えていることがこれを裏付けている。
キャンパーの平均年齢は42.7歳で、16年の42.1歳から上昇。世帯年収で多いのは「400万円未満」の13.5%。以下、「600万円台」(11.3%)、「500万円台」(10.4%)の順。職業をみると、会社員が最も多く、53.2%だった。
年間キャンプ数は平均で3.5回。1~2泊が39.7%と最も多い。1泊2日の1回あたりのキャンプ費用(高速代、ガソリン代、キャンプ場使用料、食材など)は2万3860円となり、16年よりも863円のマイナス。
キャンプの際、周辺観光するかどうかを聞いたところ、61.8%が「行く」と回答。目的は「地元の料理や名物を食べる」が55.3%と多く、「名所や自然などを見に行く」(49.3%)、「遊園地や海水浴、スキーに行く」(38.1%)、「温泉」(35.8%)などアクティブに行動している様子が分かる。
1年間にキャンプ場を訪れた外国人は平均で57.2人。都道府県別では北海道が約353人と断トツの多さ。長崎県(約282人)や島根県(約178人)がこれに続く。北海道の場合、目的はキャンプ、自然・田園・花畑などの風景鑑賞、温泉、買い物などが上位に挙がっている。
近年、「グランピング」(宿泊から飲食まで提供するぜいたくなキャンプ)への関心が高まっているが、白書はキャンプ場でこのようなサービスを取り入れるかを調査。
それによると、「今後取り入れたい」「検討中」と答えたキャンプ場が減少し、「取り入れない」としたキャンプ場が増加している。白書は「高い関心を示しているが、導入については慎重な姿勢を示している」と指摘した。