負債総額は同月最少
帝国データバンクによると、今年10月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は785件、負債総額は910億7900万円だった。件数は前年同月比5.1%増と2カ月連続の増加で、今年最多を記録。額は同19.3%減と5カ月連続で減少するとともに、数字の比較が可能な2000年以降で10月として最少となった。
件数を7の業種別に見ると、5業種で前年同月比増加した。このうち製造業が30.6%増(111件)、不動産業が75.0%増(28件)と大きく増加した。小売業は飲食店(53.2%増の72件)の増加が目立ち、5カ月連続で増加した。
サービス業(3.8%減の175件)と運輸・通信業(46.4%減の15件)は減少した。サービス業のうち、「旅館、その他宿泊所」は6件と、前年同月と同数だった。
9の地域別では、6地域で前年同月比増加した。このうち東北は55.2%増(45件)、中国は26.8%増(52件)と大幅増。東北は食品加工業などの製造業、中国は広島県で大きく増加した。
四国(17.6%減の14件)と九州(11.5%減の54件)の2地域は減少した。中部(109件)は前年同月と変わらなかった。
観光関係の主な倒産は、旅館経営のアヤメ(旧・常盤旅館、山口県、負債13億円、特別清算)、観光農園経営の西山ファーム(岡山県、負債9億3800万円、破産)が報告されている。