
観光庁速報値 コロナ前比34%減
観光庁が11月30日に発表した10月の全国の宿泊施設における延べ宿泊者数(第1次速報値)は3290万人泊で、コロナ禍前の2019年同月比で34.3%減となった。新型コロナウイルスの感染が落ち着き、緊急事態宣言が9月末に全面解除されたことで、旅行需要が一部で回復した。Go Toトラベル事業が実施中だった20年同月と比較すると5.4%減となった。
夏季の感染拡大で緊急事態宣言は一時、21都道府県に発令されたが、9月30日までに全て解除された。延べ宿泊者数の19年同月比の推移は、7月が42.2%減、8月が51.0%減、9月が54.0%減だったが、10月には改善が見られた。
10月の延べ宿泊者数のうち日本人は3256万人泊だった。19年同月との比較では18.2%減。Go Toトラベル事業が東京都発着旅行を含めて完全実施されていた20年同月の実績と比べると5.5%減となった。
外国人延べ宿泊者数は33万人泊で、19年同月比96.7%減、20年同月比10.7%増だった。観光目的の入国は依然なく、感染症対策の水際措置で外国人の入国は限定的だった。
10月の全国の宿泊施設の客室稼働率(第1次速報値)は42.1%で、20年同月比で0.1ポイント増、コロナ禍前の19年同月比で21.5ポイント減だった。
施設タイプ別の客室稼働率(カッコ内は20年同月比、19年同月比の順)は、ビジネスホテル52.5%(2.6ポイント増、24.8ポイント減)▽シティホテル42.4%(0.7ポイント減、38.2ポイント減)▽リゾートホテル37.0%(6.3ポイント減、20.8ポイント減)▽旅館30.2%(5.6ポイント減、9.3ポイント減)▽簡易宿所20.9%(4.9ポイント増、11.8ポイント減)。
また、緊急事態宣言が全面解除される前だった9月の延べ宿泊者数の第2次速報値は2243万人泊で、コロナ禍前の19年同月比で54.0%減、20年同月比で21.4%減となった。このうち日本人は2215万人泊で19年同月比45.3%減、20年同月比21.8%減。