国土交通省は21日までに、09年のクルーズ概況をまとめた。米国のリーマン・ショック後の景気低迷や新型インフルエンザの世界的流行などが影響し、国内、外航を合わせたクルーズ利用者は、前年比14%減の約16万3千人となった。07年、08年と2年連続で利用者は増加していたが、一転、2ケタの減少を強いられることになった。
外航クルーズのうち、日本船社運航のクルーズ利用者は前年比27%減の約1万5千人だった。にっぽん丸の改装に伴う長期ドック入りも影響したと見られる。外国船社の利用者は同23%減の約6万4千人で、全体では同24%減の約7万8千人にとどまっている。
方面別では、地中海・バルト海を含む欧州地域で全体の約43%を占め、前年大きく伸びたアジア地域は約29%(前年比37%減)とシェアを落とした。
外航クルーズの長さを示す泊数別では、3泊以下のショートクルーズが全体の約42%、4〜13泊が約48%を占めている。ショートクルーズは前年比34%減と大きく落ち込んだものの、平均泊数は約10.4泊と前年(9.3泊)より増加。
一方、国内クルーズ利用者は前年比2%減の約8万5千人となった。「わずかな減少にとどまっており、国内クルーズの利用者は景気の動向に左右されることなく、堅調に推移している」(海事局)。
目的別ではレジャーが約92%(約7万8千人)を占め、このうちワンナイト利用は約26%(約2万2千人)で、前年よりも10ポイント近く増えた。セミナーや団体旅行目的による利用も増加した半面、インセンティブや交流目的による利用は減った。
泊数別では、2〜3泊が全体の約50%を占め、1〜3泊で見ると約78%に達する。平均泊数は2.6泊となり、前年と変わらず。
韓国や中国、ロシアなど日本発着の外航旅客定期航路を利用した日本人乗客数は約35万4千人となり、前年比4%の増加だった。