財団法人日本交通公社は12月19日、第17回「旅行動向シンポジウム」を東京・大手町の経団連会館で開き、2008年の旅行動向見通しを発表した。宿泊を伴う国内旅行は、人数ベースで、1.9%増の見込みの07年を1.0%上回ると予測する。20代と60代の旅行市場のすそ野が広がること、また、旅行好きで周囲への影響力のある人々の旅行意欲が堅調であることを増加の背景として見ている。
旅行単価も1.5%増加する。ガソリン価格の高騰の影響と、1泊当たりの宿泊単価の上昇が08年も続くことなどを要因と分析する。
海外旅行者数は、1.9%増となる07年から0.1%減少の見通し。
訪日外国人旅行者数は07年が13.5%増の833万人と推計、08年はこれを7.4%上回る895万人と予想する。韓国や中国が10%台前半、台湾と米国は数%、それぞれ伸びる見込みだ。
07年の国内旅行者数の増加は、ビジネス旅行が牽引した。個人観光旅行や団体旅行も微増。また、年に一度でも観光旅行をした人の割合は、愛知万博開催の05年を除いて00年から減少傾向にあったが、07年は上昇。「これまであまり旅行していなかった人が、旅行に出かけ始めた」(同財団)のは明るい要素だ。
同シンポジウムでは、「今、日本の宿が変わる」をテーマにしたパネルディスカッションも実施。宿泊業の新しい形態を創っている、星野リゾート社長の星野佳路、二期リゾート代表の北山ひとみ、天空の森主人の田島健夫の3氏がパネリストとして登壇し、自身の経営方針やこだわりなどを惜しげもなく披露した。