07年の国内宿泊旅行量は前年並み、旅行単価はわずかに増加──。財団法人日本交通公社が06年12月22日、都内で開いた第16回「旅行動向シンポジウム」でこのような見通しを発表した。
宿泊旅行量の予測数値は前年対比でプラスマイナス・ゼロ%。人々の旅行意向は、リピーター層も加えて弱含み。大量退職の団塊層は、「退職記念旅行などが増えるが、出張旅行が減少し、旅行量に大きな影響はなしとシミュレーションした」(同財団)。3連休が06年の6回から07年に10回へと増加することは、観光旅行に寄与する。
話題と言えるのは、世界遺産登録の期待がかかる石見銀山や平泉、そして、NHK大河ドラマ「風林火山」、防衛庁跡地再開発「東京ミッドタウン」など。が、「特段のものはない」(同財団)。統一地方選や参院選がマイナス要因になりうる。
旅行量は増減なしだが、宿泊旅行単価は「下げ止まり感がある」(同財団)ことから0.5%増の見通し。
一方、海外旅行者数は1.7%増の1790万人。訪日旅行は、06年見込み730万人から6.1%増加し、史上最高を更新して770万人と予測している。中国や韓国からの訪日客が伸びるという。