西日本豪雨、宿泊施設の被害20軒 鉄道網に打撃


 西日本を中心とする7月豪雨による旅館・ホテルへの被害状況は、観光庁が宿泊業団体を通じて集計した結果、12日午後4時時点で、床上浸水、雨漏り、温泉泉源への浸水など1道2府8県の20軒となった。被害を受けた交通インフラは、高速道路などは順次通行止めが解除されているが、鉄道では運行再開に時間がかかる区間がある。

 台風7号や前線による7月豪雨で被害を受けた旅館・ホテルは、北海道1軒、大阪府2軒、兵庫県1軒、京都府1軒、岡山県2軒、広島県1軒、山口県1軒、愛媛県6軒、福岡県1軒、長崎県1軒。建物への被害はないが、温泉泉源の浸水などが山口県2軒、徳島県1軒。一部が当面の営業休止を見込むが、多くは通常営業または近日中に営業を再開する予定。

 国土交通省によると、中国地方の高速道路の通行止めの延長は一時847キロに及んだが、順次通行を再開。中国道、岡山道、東広島呉道路は全線が開通。14日には、広島―河内の一般車両の通行止めが解除され、山陽道が全線開通した。この他、高知道・川之江東―大豊が13日に復旧し、四国地方の高速道路の通行止めはすべて解除。東海北陸道・荘川―飛騨清見の通行止めも13日に解除された。

 鉄道は、国交省の16日午後1時時点の集計によると、土砂流入などの施設被害が発生し、中国・四国地方を中心に10事業者24路線に運転休止の区間がある。このうち5事業者12路線は、全区間または一部区間で1カ月以内の運行再開を予定している。一方で運行再開に1カ月以上を要する区間、再開未定の区間もある。

 災害時のボランティアツアーの実施について観光庁は9日、旅行業法に抵触せずに運送・宿泊サービスの提供が可能となる通知の適用について、7月豪雨の被災地域を追加したことを旅行業協会や関係機関に周知した。

   ◇   ◇

 被災者への支援に関して観光庁は8日夜、宿泊業4団体に対し、避難場所として宿泊施設を提供するよう依頼。厚生労働省も9日、自治体から要請があった場合の協力を全旅連に依頼した。

 岡山県は、県旅館ホテル生活衛生同業組合と締結した協定に基づき、受け入れ可能な宿泊施設をリスト化し、旅館・ホテル利用について被災者を対象とした募集を開始。観光庁の16日午後4時時点の集計によると、宿泊施設の受け入れ可能人数は1009人で、これまでに71人が施設を利用している。

 
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