ユニバーサルツーリズムで社員研修 KNT-CTホールディングス


能舞台に触れる視覚障害者をサポートする社員

バリアフリーの能公演で視覚障がい者サポート

 KNT―CTホールディングス(HD)は7月31日、東京・国立能楽堂で初開催するバリアフリー対応の能の公演「ESSENSE能」に参加し、視覚障害者サポートのためのユニバーサルツーリズム社員研修を実施した。公演には、視覚障害がある24人が参加。グループ会社である近畿日本ツーリストコーポレートビジネスの新入社員27人が同行し、能舞台体験会での手引きや公演会場への案内などサポートした。グループ全体で社員、サポートスタッフの育成を行い、ユニバーサルツーリズムへの取り組みを推進する。

 ESSENSE能は、東京2020応援プログラムの一つである文化オリンピアードの一環として、バリアフリー対応の能公演を実施するためのプレイベントとして実施された。

 能舞台体験会では、能楽協会の山井綱雄理事が能の歴史や舞台設備などを紹介。体験会中は、同社社員が視覚障害者に対し、手袋、足袋の着用や研修用能舞台、座席への登壇手引きをするほか、野村万蔵氏による狂言や友枝雄人氏による能を共に観賞した。

 また、会場では障害者のサポートとして手話通訳や副音声を使用し、点字パンフレットの配布を行うなど、参加者へのサポートを実施した。

 参加者からは「実際に生の音を初めて聞いて臨場感がすごかった。また別の公演にも来たい」「これまで諦めていた体験ができたことが幸せだ」とユニバーサルツアー拡大への期待が語られた。社員からは「座学で学んだイメージと本番は全く違った。営業職だが、障害を持つ方がいる企業、社員旅行の案内でぜひこの経験を生かしたい」と声が上がった。

 このほか、7月23日には事前社員研修を実施。KNT―CTが参画するユニバーサルツーリズム事業や国内外の視覚障害者ツアーの事例を学ぶほか、同社のサポートガイドの共有、アイマスクを使用した視覚障害者疑似体験などを行った。研修の意義をKNT―CTHDの平安座秀人課長は「スポーツボランティアの育成、体験会など機運醸成イベント、伝統芸能を活用した地域活性イベント、Eラーニングを活用した人材育成など会社に強みは多々あるが、ユニバーサルツーリズムも大きな強みとなる」とユニバーサルツーリズムの重要性を訴えた。

 KNT―CTHDは、視覚障害者を対象としたツアーを20年間実施。海外旅行や自動車運転を行うツアーなどを開催している。旅行業界で初めて東京都「心のバリアフリー」サポート企業に認定されている。【長木利通】

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