【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 424】成果が上がるベスト施策7 青木康弘


 前回に引き続き、売り上げや利益、顧客満足度アップに大きな効果が得られたベスト施策を紹介しよう。

 18、館内にキャッシュポイントを増やす

 館内で稼働が低いスペースを有効活用して、宿泊や料飲、売店以外のキャッシュポイント(お客さまにお金を使っていただくスポット)を増やすと良い。

 ビジネス客のリピート利用が多いならば、ラウンジ内に有料のコワーキングスペースを設けるのも一案である。間仕切りのある個人ブースや無料コーヒー、座り心地の良いビジネスチェア、複合機などを完備すれば時間貸しすることも可能だ。

 連泊利用が多ければコインランドリー室を設けても良い。大物洗いや靴用の洗濯乾燥機を設置すれば、インバウンドFIT客の総消費単価アップにつながるだろう。

 19、全国味めぐりキャンペーンを行う

 旅館・ホテルで提供する料理は郷土色にこだわり過ぎる必要はない。旅先の風情を感じるものを出すことは大切だが、地元客の比率が高かったり、お客さまの年齢層の幅が広かったりする場合には、全国各地や海外の料理をテーマにしたキャンペーンを行うと客数アップにつながりやすい。

 20、休館日を設ける

 休館日を設けると、フロントや予約、調理、料飲スタッフの交代要員数を減らすことができ、利益アップにつながる。ただし、予約が入らない日を休館日にするという消極的な方針はおすすめしない。償却後で営業黒字を確保できるよう集客に取り組むことが先決だ。

 21、上げ膳・下げ膳動線を短縮する

 厨房から食事会場、洗い場までの動線を短縮すると人件費削減につながる。この取り組みは経営者主導で行うことが望ましい。ベテランスタッフほど効率の悪い動線に慣れてしまっており、客観的な視点で改革を進めることが難しいからだ。

 飲料を作るパントリーも同様である。グラスと製氷機、サーバ、シンクのレイアウトを改善し、飲料を作る時間を短縮すると、人件費削減だけでなく、売り上げアップにもつながる。飲料作りが面倒だとホールスタッフは注文を取るのを煩わしく思い、お客さまに積極的におすすめしないからだ。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
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