【観国之光 236】新語・流行語 観光は「災害級の熱さ」か 本社論説委員 内井高弘


観光業界にとって「自然災害」は大きな言葉に。北海道胆振東部地震からの観光復興へ業界も立ち上がった

 今年の世相を反映した言葉を選ぶ「2018ユーキャン新語・流行語大賞」(自由国民社)が3日、発表された。ノミネートされた30語の中から、平昌(ピョンチャン)冬季五輪のカーリング女子日本代表が試合中に発して話題となった「そだねー」が年間大賞に選ばれた。

 「もぐもぐタイム」もノミネートされていたが、「不寛容な時代といわれ、SNSでの反応を過剰に気にして疲弊する昨今、トップアスリートから発せられるのんびりとしたやりとりはホッとするひと時をもたらしてくれた」と評され、大賞受賞となった。

 トップ10には、eスポーツ、(大迫)半端ないって、おっさんずラブ、ご飯論法、災害級の暑さ、スーパーボランティア、奈良判定、ボーっと生きてんじゃねーよ、#MeTooが入った。
 30語には、悪質タックルやGAFA(ガーファ)、カメ止、首相案件、高プロ(高度プロフェッショナル制度)などが入っており、これら全てを解説できる人は日々の情報に相当敏感な人といえる。

 観光に結び付きそうな言葉を強いて挙げるとすれば「災害級の暑さ」か。7月に埼玉県熊谷市で41.1度と国内の観測史上最高を約5年ぶりに更新するなど記録的な暑さに見舞われ、気象庁が発したのがこの言葉。

 「この言葉が国民の暑さに対する心構えを変えた。熱中症対策をわが事として捉え、『不要不急の外出』かどうかを考えるようになった」という。

 災害級の暑さは夏の旅行に微妙な影を落とし、例えば京都の夏の風物詩「祇園祭」では、7月24日に予定されていた花傘巡行が中止となった。酷暑による参列者の体調を考慮したもので、巡行中止は前日の雨の影響で準備できなかった03年以来となった。

 観光関係ではこれといった新語・流行語は見当たらないが、キーワードとなる言葉は多かった。民泊新法、人手不足、宿泊税、DMO、改正健康増進法、国際観光旅客税、自然災害、ふっこう割、観光復興…。

 特に印象に残ったのが自然災害だ。暑さはもちろん、台風や豪雨、地震とこれでもかというほど起こり、観光業界にも深刻な影響を与えた。「北海道を観光で盛り上げる会」(10月24日)の開催は、被災地の観光復興に向けた具体的な対策として今後の参考にしてほしいものだ。

 19年はどんな新語・流行語が出てくるだろうか。業界のキーワードとなりそうなのがスポーツツーリズムではないか。ラグビーW杯の開催年であり、東京五輪・パラリンピックの前年ということもあり、関心が高まりそうだ。


観光業界にとって「自然災害」は大きな言葉に。北海道胆振東部地震からの観光復興へ業界も立ち上がった
     

 
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