【観国之光 232】地域ブランド 素材の磨き上げと情報発信を 本社論説委員 内井高弘


6年連続最下位となった茨城県だが、魅力的な観光素材はたくさんある(国営ひたち海浜公園)

 地方自治体にとって、観光地や食、歴史・文化など地元の魅力がどれだけの人に認知されているかは大きな関心事だ。

 ブランド総合研究所が先ごろ、2018年の「地域ブランド調査」を発表した。都道府県魅力度ランキングを見て、複雑な思いを抱いた自治体も少なくないのでは。

 上位にランクされた自治体はともかく、下位の自治体は心中穏やかではない。「どうしてこんなに低いのか。納得がいかない」「あの県に負けるとは」という恨み節も漏れ聞こえてくる。

 観光素材に磨きをかけ(予算を充て)、観光客誘致のためのPR活動やタレントを起用してのポスター製作などあの手この手を打っている自治体にとって「魅力度が低い」といわれては立つ瀬がない。

 最も魅力的な都道府県1位は北海道で、10年連続というからブランドイメージの良さは他を寄せつけない。以下、2位京都、3位東京、4位沖縄、5位神奈川と続く。10位には前年11位だった長崎が入った。一方、市町村は1位函館、2位京都、3位札幌、4位小樽、5位神戸、6位横浜、7位富良野、8位鎌倉、9位金沢、10位仙台となっている。函館は16年以来5度目の1位となった。北海道勢の強さが目立つ。

 今回、最下位となった都道府県は茨城県で、6年連続と悔しい結果に。魅力度の点数は8.0で、46位の徳島県に1.8ポイント及ばなかった。

 昨年9月に知事に就任した大井川和彦氏は結果を受け、「一喜一憂はしない。隠れた魅力はあるし、PRだけでなく、魅力が上がる政策をやっていく」と語っている。

 茨城には魅力ある観光スポットが少なくない。3200株のコキアが赤く染まる国営ひたち海浜公園、歩行者専用として国内最大級の長さを誇る竜神大吊橋、偕楽園、水族館アクアワールド…挙げればきりがない。

 10月25日には東京・銀座のアンテナショップ「IBARAKI sense(イバラキセンス)」がリニューアルオープン。これまでの「茨城マルシェ」のスーパーマーケット路線から高級志向へ転換し、高品質の品ぞろえで茨城ブランドを発信する。「魅力度向上の切り札」(大井川知事)と位置付けており、最下位脱出の期待がかかる。

 今年4~6月のデスティネーションキャンペーン(DC)の効果が期待された栃木県は昨年から順位を一つ落とし44位となった。「とちぎ元気発信プラン」では20年に全国25位以内を目標としているが、厳しい状況にある。

 イメージアップは容易ではないが、何もしないと良くはならない。頑張れ、下位グループ!

【内井高弘】


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