【交通トレンド分析16】飛行機移動が楽になったiPhoneのWallet搭乗券 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗


 飛行機を利用する際には必ず搭乗券が発行され、保安検査場や搭乗ゲート、国際線では出国審査の際にも必ず提示が求められる。しかしながら、最近では事前のWEBチェックインをすることで搭乗券を自宅やオフィスでプリントアウトしたものでも搭乗できるようになり、預ける手荷物がなければ航空会社のチェックインカウンターに立ち寄らずに、そのまま搭乗ゲートへ向かうことが可能となった。そして現在、さらに進化している搭乗スタイルがiPhoneの「Wallet」機能を使った搭乗スタイルとなっている。国内線ではANAやJAL、AIRDOなど、LCCでもジェットスター・ジャパンがWallet搭乗券でそのまま搭乗可能となっているが、国際線でもほとんどの航空会社が採用している。

 筆者は今月、ANAで成田からブリュッセルへ飛び、その後はブリュッセル航空でエジンバラ、さらにイギリス国内線のflybeでロンドン、そして帰国便はANAでロンドンから羽田へ飛んだが、今回は預ける手荷物はなく、全て機内持ち込みだったこともあり、全ての搭乗便で事前にスマートフォンからWEBチェックインを済ませ、最後にWalletに登録のボタンを押すだけでWallet搭乗券がスマートフォンに登録される。保安検査も出国審査も全てスマートフォンの搭乗券画面を見せれば問題なく、4フライトで一度も搭乗券は発行されずに旅をすることができた。

 メリットとしては、パスポートとスマートフォンだけ持っているだけで十分で、搭乗券を紛失する心配がない点だ。これは実際に使ってみると、特に海外ではそのありがたさを感じることができる。デメリットとしては、万が一スマートフォンのバッテリーがなくなってしまった時にWallet搭乗券が表示できなくなってしまう点が挙げられる。また、複数人で利用する際には、搭乗者それぞれで登録する必要があるので、家族連れの場合(特に子供同伴)などでは通常通りにプリントアウトする方式の方が便利なのかもしれない。預け手荷物がある場合は航空会社によっては搭乗券も同時に発行する場合と預け手荷物のタグだけを渡される場合がある。

 Wallet搭乗券を含め、事前にWEBチェックインをすることで、空港で搭乗券を発行する場合や荷物を預ける場合においてもチェックインに必要な情報が既に入力されていることから時間短縮となるとともにオーバーブッキングのリスクも低減できる。旅行者としては思い出として各航空会社の個性が反映されたオリジナルの搭乗券で旅をしたいという人が多くいるのも事実で、ペーパーレスのWallet搭乗券、WEBチェックインでプリントアウトした搭乗券、オリジナル搭乗券と利用者の旅行スタイルでしばらくは分かれることになりそうだ。

 (航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
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