【データ】「民泊に対する意識調査」 アウンコンサルティング調べ


 アウンコンサルティングは、民泊に関するアンケートの調査結果を発表した。

< 民泊に関する意識調査 >

国土交通省は2020年に4,000万人以上の訪日外国人を誘致する目標を掲げ、海外へのプロモーションを積極的に取り組んでいます。しかしながら、宿泊施設の拡充・多言語対応・人手不足解消など課題は様々です。また、地方に行くほどその問題は深刻化しており、受け入れ体制の整備が急務となっています。最近では、宿泊施設拡充の施策として民泊に注目が集まり、6月15日には民泊新法「住宅宿泊事業法」が施行されました。当社では訪日客数が最も多い【中国】、リピーター数の多い【台湾】、2017年に訪日者数の増加数がアジアで最も高かった【韓国】に対してアンケートを実施しました。

問1.利用したい宿泊施設について
日本で利用したい宿泊施設については、韓国人は旅館とホテルに関心が集中し、民泊に対しては、わずか7%という結果となりました。中国・台湾においては、ホテル・旅館・民泊・民宿に数値が分散するという傾向が見られました。(※黄色:各国・地域の最も割合の高い項目)

                                 ※各国・地域N数:100

問2.民泊について知っていましたか?
民泊の認知度と利用率について調査したところ、ともに中国が最も多い結果となり、台湾と韓国は類似した傾向であることが分かりました。問1の「利用したい宿泊施設について」に対して、民泊が22%だった台湾は、韓国と比較して民泊を利用したい意欲はあるものの、認知度と利用率は高くないことが見て取れます。

                                 ※各国・地域N数:100

問3.民泊を利用したことがありますか?

                                 ※各国・地域N数:100

問4.民泊についてどう思いますか?
民泊を今後利用したいかという質問に対して、中国人は90%以上、台湾人は80%以上が民泊を利用したいという結果に対し、韓国人は40%未満となりました。特に台湾と韓国に関しては、民泊の認知度はほぼ同じ比率でしたが、利用意欲には差が出ました。

                                 ※各国・地域N数:100

問5.民泊に対して思うことはありますか?
民泊へのイメージについて調査したところ、意外にも宿泊料の安さより、日本の文化や、地域・ホストとの触れ合いに魅力を感じている人が多いということが分かりました。また、韓国は中国・台湾と比較して「犯罪に巻き込まれそう」というマイナスのイメージを持っている人が多いという結果となりました。

                                 ※各国・地域N数:100

< 訪日客4,000万人に向けて >

韓国でのマイナスイメージの原因とは?
韓国に関しては、中国・台湾と比較して民泊への利用意欲が低く、マイナスイメージを持っている人が多い結果となりました。これは、韓国人カップルが日本の民泊を利用した際、部屋に隠しカメラが設置されているのを発見したことなど、日本で民泊関連の事件に巻き込まれた事をネットに書き込んで話題となったことが一つの要因として考えられます。韓国人に対しては、このような民泊に対するマイナスイメージを払拭することが重要となります。
また、韓国人の旅行消費額は、中国の19.5万円、台湾の9.3万円と比較して6.2万円と少ないため、民泊の「安さ」をPRしていくことができれば民泊の利用数も伸びていくと考えます。また、2017年の訪日韓国人は過去最多の714万人(前年比140.3%)であり、訪日中国人の735万人に着々と近づいています。現在の課題を解決し、韓国人の民泊利用を高めることで訪日韓国人数の増加に繋がることができると考えられます。

台湾人の利用率が低い原因は?
台湾人については民泊の利用意欲があるものの、利用率は半数未満に留まりました。これは訪日台湾人の家族連れの割合が40%以上と高いことが要因の一つとしてあげられます。
訪日台湾人は2017年のリピーター数が81%であり、中国の45%、韓国の68%と比べると、台湾が遥かに上回っています。この層にアプローチすることができれば民泊の利用率増加に貢献することができると考えます。

民泊利用のターゲットとなる国は?
観光庁と日本政府観光局(JNTO)は、全世界規模での訪日外国人を増やすために「Enjoy my Japan グローバルキャンペーン」を2018年2月26日から開始しています。このキャンペーンは、欧州、北米、豪州の市場を中心に、日本を旅行先として認知・意識してもらい、「日本が誰でも楽しむことが出来る旅行目的地」として思ってもらえるようアピールしてくものです。
また、イギリス・ドイツ・アメリカは1人旅行の割合が45%以上で、訪日客の65%以上は7日以上滞在しているため、安価に宿泊することができ、長期間の滞在にも適している民泊は、このような層に適していると考えます。
特に欧米人は旅先の日常生活の体験や、文化に触れたりできるスタイルを好みます。民泊ではキッチンを自由に利用できるため、地元のスーパーに買い物に行き、現地に暮らしているような感覚で旅行を楽しむことができます。 また、農家民泊では日本の田舎暮らしを体験し、ホストと交流することもできます。このような長所を活かし、宿泊日数の長い欧米圏の観光客向けにも民泊のプロモーションをしていくことで利用率は増えていくのではないかと考えます。

Webプロモーション観点でのアプローチ方法
以下、訪日外国人の旅行前の主な情報収集方法を、レジャー・観光目的に絞ってまとめました。
※国土交通省 観光庁 「訪日外国人消費動向調査 平成 29 年 1 月~12 月」の訪日旅行に関す る意識 (満足度など)を参考にアウンコンサルティングで加工

韓国、台湾、中国についてはブログやSNS(微博、微信)などのインフルエンサーを活用したPR施策、欧米圏の3カ国に関してはTripAdvisor, Inc.の運営する旅行サイト「トリップアドバイザー」などの口コミサイトの活用が有効的だと考えられます。
最近ではAirbnbの違法民泊が全件削除されるなど、闇民泊を排除する動きも高まっています。民泊に対する悪いイメージを払拭しつつ、ターゲットごとに有効的なプロモーション方法を活用して民泊の魅力をPRしていくことで、訪日客数増加を目指していくことが必要になってくると考えます。

調査概要

【調査主旨】
2020年に4,000万人以上の訪日外国人を誘致する目標に向け、訪日外国人を対象に日本の民泊に対する意識調査をアンケート調査(対象国・地域:韓国、台湾、中国)

【調査要綱】
・調査日:2018 年 6 月 4 日 ~ 2018 年 7 月 13 日
・アンケート対象時期:2018 年 6 月12日~2018 年 7 月7日
・調査対象:対象の国と地域に滞在する18歳以上の男女 各100名
・調査手法:Facebook広告にてアンケートを回収

【出典】
・国土交通省 観光庁 「観光立国推進基本計画」
・国土交通省 観光庁 「訪日外国人消費動向調査 平成 29 年 1 月~12 月」
http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html
・日本政府観光局(JNTO) 「2017年1月~12月:国・地域別/目的別 訪日外客数 (暫定値)」
・日本政府観光局(JNTO) 「国籍/月別 訪日外客数(2003年~2018年)」
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/2017_december_zantei.pdf
・国土交通省 観光庁 「Enjoy my Japanグローバルキャンペーン」
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news03_000169.html


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