日本旅行業協会(JATA)は6月22日、2020年度定時総会を東京都内で開き、新会長に坂巻伸昭副会長(東武トップツアーズ社長執行役員)を選任した。髙橋広行氏(JTB社長執行役員、6月30日付で取締役会長)が新たに副会長に選ばれ、菊間潤吾(ワールド航空サービス会長)、堀坂明弘(日本旅行社長)の両副会長は留任。田川博己会長は特別顧問に就いた。
坂巻新会長は就任のあいさつで「旅行業の原点である『人』、すなわちJATAを運営する皆さま方、社の従業員、大切なお客さま、パートナーである旅館・ホテル、施設、運輸機関、そして、タッグを組む観光庁、地方自治体、地域の方々、こういった方々としっかりと向き合う協会運営をしていきたい。私は、共に歩む『協調』、共に創る『共創』の二つのテーマに取り組む」と抱負を語った。さらに、「この難局を乗り越え、より強いJATAを目指していく」として、会員の協力を求めた。
今回の役員改選での新役員はそのほか、理事に米田昭正KNT―CTホールディングス社長、江利川宗光運営役員(ジャルパック社長)、理事・事務局長に池畑孝治調査役が就任した。
JATAは20年度の事業で大規模キャンペーン「Go Toキャンペーン」によって国内旅行需要の回復を目指す。イベントの「ツーリズムEXPOジャパン」は“需要回復のための引き金”と位置づけ、10月29日~11月1日に沖縄県宜野湾市で「旅の祭典in沖縄」を、来年1月7~9日に東京で業界向けの「TEJ東京商談会」と一般向けの「トラベルフェスタ」を開催する。
冒頭のあいさつで田川会長は、19年度事業について「新型コロナウイルス感染症によって旅行業界は前例のない甚大な被害を受けている。このような状況のもとで当面の経営資源と需要回復を目指して取り組んできた」と報告。具体的には観光庁や与党などへ(1)雇用調整助成金の助成率引き上げ(2)感染予防策の業界共有を条件とした自粛緩和(3)修学旅行の延期での実施(4)大規模な観光需要喚起キャンペーン(5)国際交流復活の仕組みづくり―を提案、陳情し、「五つ目の国際交流を除いて既に実現することができた」と成果を強調した。
運営方針を述べる坂巻新会長