フランス・パリを拠点に世界規模で事業展開する大手ホテルチェーンのアコーとサッポロ不動産開発は1月30日、札幌市中央区に「ホテル創成札幌 Mギャラリー」を開業した。昨年4月に閉館した「ホテルクラビーサッポロ」を改装し、約9カ月間のフルリノベーションを経ての開業となる。
ホテル創成札幌が位置する創成川東側エリアは、かつて工業の中心として栄え、札幌の開拓・発展をけん引してきたという歴史を持つ。それにちなみ「21世紀に生まれ変わる開拓使時代の邸宅」をテーマとして、当時の開拓者たちが見た光景を現代的にオマージュしたデザインとなっている。
歴史的な背景にこだわった部分はレストランフロアや客室など。1階のレストラン・バーには、「開拓使の社交場」をイメージし、銅製ビール釜をモチーフにした暖炉を設けている。バーラウンジでは北海道ワインや地酒など厳選の一杯を提供する。客室=写真=は118室を提供し、穏やかな緑と情緒を感じられる深い紫の二つのカラーバリエーションを用意。家具やテキスタイルは、実際に開拓使が外国から輸入した品々からデザインのヒントを得た西洋風のものを取り入れている。その一方で、部屋内には当時の記憶を呼び起こすような日本画を配置するなど、洗練された西洋の雰囲気と歴史を感じさせる和のモチーフとの調和が心地よさを醸成する。