長野県の千曲市観光協会(会長=若林正樹、ホテル上山田社長)は現在、来年の善光寺御開帳に向け着地型ツアーの拡充を図っている。現在催行し好評を博している「夜景ツアー」を含め、10のツアー、体験プログラムを用意。費用は1000円から、時間も30分から2時間ほどと気軽に参加できるメニューをそろえた。戸倉上山田温泉をはじめとする千曲市内の各所に参拝客が宿泊するきっかけを作りたい考えだ。
12日、首都圏のマスコミ関係者や旅行会社を対象に東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で開いた「千曲市の産業・観光懇談会」で、着地型ツアーをPRした。
専門指導員のもとで味噌の仕込みができる「マイ味噌づくり体験」や「漬物を使ったアイディア料理づくり体験」などを10〜11月に実施しているほか、来年度にかけては、4〜7月、9〜11月に芸妓衆と共に戸倉上山田温泉の史跡などをめぐる「さらしなそぞろ歩き」を催行するなど、千曲市ならではの内容を盛り込んだツアーを用意する。
同協会が信州観光バスと共同で2月から始めた「姨捨夜景ツアー」は、「日本の夜景百景」に選ばれた夜景とJR姨捨駅のスイッチバックを見られることから好評。同市観光協会では、夜景ツアーに続く千曲市ならではの着地型ツアーの開発を進める構えだ。
若林会長は、「戸倉上山田温泉は、善光寺から30キロと近く、精進落としの湯として縁も深い。着地型ツアーなどのソフト面と足湯などのハード面の両面を整備し、多くの人に訪れてもらえるようにしたい」と意欲を示した。
千曲市は03年9月に「更埴市」「埴科郡戸倉町」「更級郡上山田町」が合併して発足。同市観光協会は07年度に有限責任中間法人としてスタートを切り、同年11月には第3種旅行業の認可を取得している。
あいさつする若林会長